自分だけが上司に怒られ続ける日々…そんななか唯一心を開いていた先輩が産休で相談できる人がいなくなった【作者に聞く】








産休に入った先輩は、上司にいろいろと言われた時にいい意味で愚痴れるというか、話を聞いてくれる存在でした。部署の中で他に話せる人がいなかったため、先輩の存在はとてもありがたかったです。ほかにも、友達や同期に話を聞いてもらうことはありました。でも、彼らも自分の仕事で大変だろうと気を遣ってしまい、だんだん相談できなくなってしまいました。
上司のキツい言葉に対しても「いちいち傷ついちゃう自分も悪いのかも」と思っていました。傷つきやすい性格なのだと思います。
子供の頃から「小さなことを気にしすぎる性格」だと、周りの人からもたくさん言われてきました。小学生の時、担任の先生に「そんなに小さなことでいちいち傷ついていたらこれから先、生きていけないよ」と注意されたこともあるくらいです(笑)
当時の辛かった職場や上司の言葉を思い出しながら漫画を描くことで心をより傷つける辛さよりも、表現を通じて自分の中の思いを昇華させたいと思っています。
どうして自分はあんな状態になったのか?弱いから?弱いことはダメなのか?逃げることはダメなのか?逃げた先には何があるのか?こんなことを実は10年、ずっと考えてきたんです。自分の経験と気持ちをずっと表現したかったし、表現することで自分の中の思いを昇華したかったので、この場所は本当にありがたいです。だから、辛さもありますが、ありがたいなという気持ちの方が強いです。いろんな意見もあるかと思いますが、自分の気持ちをこれからもまっすぐ描いていけたらと思います。
休職している人や休職しようと考えている人に向けて、自分の経験が少しでも役に立てばと描き始めた漫画「うつ逃げ」。創作活動を通じて辛かった当時のなおにゃんさん自身も、救われることを願わずにはいられない。
取材・文=石川知京