「似合わねー」と言われた魔法少女、大人の私がコスプレで“変身”!『わたしが推しになる魔法』に「泣いた」「素敵なお話」と反響【作者に聞く】

子供の頃、アニメの魔法少女のなりきり衣装を「似合わない」と言われてしまった爽子。大人になり、他人の“可愛い”を楽しんでいた彼女は、ある日出会った「あいな」から、一緒にコスプレをしようと提案され……。

本当の気持ちを閉じ込めていた女性が、幼い頃憧れた“魔法少女”のコスプレに挑む「わたしが推しになる魔法」(C)真田往里/新潮社

漫画家の真田往里 (@sy14kkk) さんが描くオリジナル漫画「わたしが推しになる魔法」は、胸にしまい込んだ幼い頃の憧れを、大人になって違う形で叶える現代の変身譚(へんしんたん)だ。 「くらげバンチ」 (新潮社)上や作者Twitterにて公開された同作には、読者から「素敵なお話」「泣いた」「よい意味で最後が想像と違いました」とさまざまな反響が集まっている。

作者の真田往里さんは、第18回くらツイ漫画賞にて期待賞を受賞し作品制作を続ける新鋭。ウォーカープラスは今回、反響を集めた同作の舞台裏や、漫画家としての今後の目標についてインタビューした。

小さい頃魔法少女に憧れた女性、コスプレに誘われるも踏み出せずにいたが…

カメラ小僧から転じて、アイドルやコスプレイヤーを撮影することを趣味とする“カメコ”。主人公の「伊達爽子」(だてさわこ)は、コスプレイヤーのカメコとして充実した日々を送っていた。

「わたしが推しになる魔法」(04)(C)真田往里/新潮社

なかでもお気に入りは、“まほミラ”ことアニメ「魔法少女ミラクルピンキー」のコスプレイヤー。メインヒロインのミラクルピンキーに憧れ、親にせがんでなりきり変身セットを買ってもらったほど、爽子にとって思い入れの深い作品だった。

そんな爽子はあるコスプレ会場で、ピンキー姿のコスプレイヤー「あいな」と出会う。同じ作品を愛する者同士すっかり意気投合したあいなは、一緒に“まほミラ”のコスプレをやらないかと誘うが、爽子はそれを断ってしまう。

「わたしが推しになる魔法」(10)(C)真田往里/新潮社


実は爽子にはトラウマと言える出来事があった。なりきりセットで“変身”した幼少時代、弟から「似合わねー」と言われ、それ以来「私には可愛いピンキーは無理なんだ」という思いがトゲとなり心に刺さっていたのだ。

「わたしが推しになる魔法」(02)(C)真田往里/新潮社


事情を聞いたあいなは数日後、再び爽子と会う約束を取り付ける。待ち合わせに現れたあいなを見て、爽子は仰天する。あの日コスプレで魔法少女に変身していたあいなは、実は男性だったのだ。「男の俺でも魔法少女になれちゃうんだ!」と、再び爽子をコスプレに誘い、彼女も今度は「やってみたい…ですっ…!」と本心を告げ――、という物語。

「前進するために頑張る人が好きだし描きたい」作品誕生のきっかけ

生まれ持ったものや周囲の環境、さまざまなことで純粋な憧れを諦めてしまうという経験は誰しも身に覚えがあるだろう。同作で爽子が“変身”するのは憧れのミラクルピンキーではないという結末を含め、どんな形でも人は一歩を踏み出せると勇気をもらえるような作品だ。

「わたしが推しになる魔法」(14)(C)真田往里/新潮社


そんな同作が生まれたきっかけや、作品にこめた思いを、作者の真田往里さんに聞いた。

――「わたしが推しになる魔法」を描いたきっかけを教えてください。

「くらげバンチさんのTwitter漫画賞に応募して、今の担当さんに付いて頂いたのがきっかけで、『まずは短編を』ということでお話作りがスタートしました。この作品は『なにかを打ち破る、前進するために頑張る人が好きだし描きたいな…』というところから考え始めました」

――本作はコスプレが物語の軸になっています。このアイデアを選んだのは?

「先に話した“何を頑張っている人か”という部分で、始めは自身も好きで経験のある同人活動が浮かんだのですが、登場人物の見た目が変化するようなお話が好きなのでコスプレイヤーの話になりました。

また、フリルやレースを描くのが好きなので、魔法少女やアイドルのような衣装を描けるお話……、と考えていき『わたしが推しになる魔法』が出来ていきました」

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