突然飛び込んできた兄の訃報…大切な家族を亡くしたとき「目に見えない大切」について考えた【作者に聞く】

まゆんさん一家にとって、悲しくもお兄さんがいないことが「当たり前」となった今、「大切」なことは何も変わらない。
「太郎は兄と2回しか会ったことがなく、記憶にもないようですが、火葬のときの思い出が強かったようで、そのことを口にすることはあります。兄の火葬前後を見た太郎は『おじちゃん?白いのおじちゃん?』と変わった姿に目を丸くしました。私が涙を流しながら『そうだよ、これはねおじちゃんの骨だよ』と説明すると、『なんか…可哀想…』と小さな声で言っていました。今は兄の話を出すと『お母さんのお兄ちゃんの話だね!』と言うくらいです」



この出来事があってから、太郎くんは目に見えない「大切」について「家族」=「大切」と認識しているようで、「そのような部分が会話の中で見え隠れします。『お母さんは家族と仕事どっちが大切?』など家族と何かを天秤にかけた質問をときどきしてきます(笑)。なかなかおもしろいです」





太郎くんの個性をあたたかく見守る“やさしい世界”を描いた「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」には、自分にも他人にも優しくなれる生き方のヒントが詰まっている。
