子宮がんと診断された妹…リスクを背負いながらも全摘を選ばなかった理由とは【作者に聞く】





最終的には、はるんさんの主張を受け入れた。「はるんの気持ちを尊重した形になります。ただ、家族の思いは伝えておかないと後で私たちが後悔するのでは、と思ったので気持ちだけは伝えました。はるんも兄を亡くした辛さをわかっているので、私たちが心配する気持ちも十分に理解しての決断だったと思います」






そして、はるんさんを子宮温存の選択へと導いた太郎君の存在。「太郎は、幼いころからはるんと仲良しなんです。私が『はるん』『はるん』と呼ぶので、太郎も同じ呼び方で呼ぶようになりました。太郎にとってはるんはよき話し相手。ドラえもん好きという共通点もあり、2人でそのことについて語り合ったりしています」








まゆんさんから見て、出産前と出産後ではるんさんには大きな変化が。「やはり母になったことで、はるんには大きな変化がありました。子供への愛が、日常でプラスになっていると思います。太郎に対しても、変わらずあたたかく接してくれるので、見ていてこっちがほっこりします」

太郎くんの個性をあたたかく見守る“やさしい世界”を描いた「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」には、自分にも他人にも優しくなれる生き方のヒントが詰まっている。