そのひと手間で伝わる愛情。夜勤で寂しい思いをする息子と母を繋ぐ「手作りおかず」【作者に聞く】




その夜、ばあばが作った料理を見て「お母さんの手づくりは?ないの?」と尋ねる太郎くん。どこか寂しい表情で食事を済ませる。





「ある日、ばあばから『太郎は何も言わんけど、まゆんの作ったご飯がないとなんとも言えん顔するよ?』と伝えられ、自分のことしか考えてなかったとはっとしました。『自分だけの息抜きのために甘え続けると、誰かにしわ寄せが来てしまう』ということに気付かされました」
そこで夜勤の日は、毎回休憩時間に電話をかけたり、時々手紙を置いていったりして、太郎くんができるだけ寂しい思いをしないように工夫したそう。



太郎くんの個性をあたたかく見守る“やさしい世界”を描いた「自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界」には、自分にも他人にも優しくなれる生き方のヒントが詰まっている。
