がん病棟での入院生活。家族や“先輩患者”との交流が心の支えに【作者に聞く】




患者さんに鼻の手術の跡を見せてもらったことで、不安が和らぎました。手術は鼻の横を切ると伺っていたので、顔の中心付近に大きな傷跡が残るものだと思っていたんです。想像よりもだいぶ小さく、コンシーラーなどを使用すれば化粧でごまかせる程度の傷口だったので、ものすごく安心しました。顔が変わっても仕方がないと思って入院していましたが、傷が残らないに越したことはないので、ホッとした記憶があります。





患者さん同士の交流は一線を踏み越えない
入院患者の皆さんですが、仲良くなってもそれぞれ互いに踏み込んではいけないラインっていうのを気をつけてお話ししているなぁと感じることが多かったです。調子が悪そうなときは、あえて声をかけないようにしてくれたりとか。大人だなと思いました。
患者さんは、それぞれ具合が悪くなったり退院したりするタイミングが違います。それだけに、自分以外の患者さんをうらやましく思うときもあると思うんです。私は正直言って、ほかの患者さんがうらやましいと思うときが何回かありました。だからこそみんな、仲良くなってもなりすぎないようにしてる部分があるんじゃないかなぁと感じました。人をうらやんでも仕方がないので、自分を守るためにも患者同士の距離感をうまいこと取る必要があると思います。




がんの当事者になった時のために読んでおきたい
がんとの闘病生活のリアルを知ることができる「鼻腔ガンになった話」。誰もが”がんサバイバー”の当事者となる可能性がある今、ぜひ読んでおきたい作品だ。
