外出時に鬼のLINE攻撃!サークルの合宿にも心配で付いてくると言う…。束縛モンスターになった彼の衝撃の行動とは【作者に聞いた】
共依存の恐ろしさは、自分の生活や交友関係、体調にまで影響を受けること。本人に自覚がないという怖さも
51~53話に、作者であり、友人であるほや助さんも登場。ほや助さんとリクさんが一緒に飲みに行き話をしているときに、竹田くんが迎えに来ると、話の途中でもリクさんは文句を言うわけでもなく、彼と帰っていく状況を描いている。当時のリクさんは「(自分が)我慢していれば元の優しい人に戻ってくれる」と思って竹田くんの望むように行動していたことから、ほや助さんは「共依存ではないか」と疑うようになる。








ほや助さんは、このときのことを振り返り「リクは元々しっかり者で芯の強い女性でしたが、 彼との関係について話をしているときは、少し妄信的になっていると感じていました。また、そんな状態のリクを見たうえで、私たちが一緒に食事をしている最中に彼が突如迎えに来て、強引に連れ帰ってしまった時は唖然としました。 彼氏が自分の友達を睨みつけている横で、それを咎めることもないリクにも驚いたのを覚えています。そのときに、共依存の怖さというものを身をもって知りました」と語る。
このときの印象や、リクさんから聞いた話のインパクトが強く、いつか絶対に描きたいと思っていたと言う。強烈なエピソードの数々に、フォロワーさんからも「彼のリクに対する強い執着には『怖い怖い!』『ストーカー』『重たすぎる…』など、彼のモンスターっぷりに皆さんドン引きされていました(笑)」



漫画は、全75話で完結。2人の行方はどうなっただろうか。
「この漫画で伝えたかったのは、第一には、自分の生活や交友関係、体調にまで影響を受けてしまう、共依存というものの恐ろしさを知ってほしいということ。読者さんからコメントでもいただきましたが、本人には自覚があまりなかったとしても、冷静に周りから見れば共依存に陥っている…ということは日々起こっていると思います」
そして、リクさん自身も当時を見つめ直し、反省も多数あると、ほや助さんに語ったそうだ。
リクさんは、束縛が激しい竹田くんとケンカになり、彼からLINEをブロックされ、音信不通になった時期も。しかしその後、大学に入学し、上京した竹田くんから連絡が来て、復縁してしまう。「当時のリクは若く『彼と一緒にいたら楽しい』という感情に動かされて、交友関係や体調に不調をきたすまでズルズルと付き合ってしまいましたが、もっと早い段階で、彼以外の事(将来の自分の事や友達との触れ合い)に目を向けていればよかったと感じているそうです」
リクさんも「彼だって、私と別れたからと言って実際に死ぬわけでもないし、私がいなければ、いないなりにほかの楽しみを見つけられていたんじゃないかと思う」と、過去を振り返って語っている。
漫画の最後には、リクさんは自分の力で共依存から抜け出している。どのように気持ちを切り替えて抜け出せたのかにも注目してほしい。
リクさんの友人であるほや助さんから見た竹田くんについては「本来は優しい性格の彼も、コンプレックスを抱え、苦しみ続けていたのだと思います。そして、環境次第で人は変わってしまうことも伝えたい」と言う。
「知らない人から突然、歯を折られる」「霊能者に勝手に祖母の霊を呼び出される」など 強烈な実体験が続く
本作をはじめ「昔からいろいろなことに巻き込まれがちな人生で、散々な目にあってきましたが、 その中でも、ほかの人があまり経験したことのないようなインパクトの強かった人間関係を(漫画の)テーマに選ぶようにしています」という、ほや助さん。「あくまで自分の体験がベースなので、すべての話がスカッと終わるものではなく、『お客様はストーカー』のように不気味な後味のものもありますが、読者さんには、ぜひその『リアル感』も楽しんでもらえたらうれしいです!」
これからのテーマをうかがうと、「今の時点で予定しているのは、『新卒で憧れて入った(自称)ホワイト企業が、超ブラックだった話』『小学生時代に、知らない生徒から突然歯を折られた話』『(自称) 霊能者に、勝手に祖母?の霊を呼び出された話』など、いずれも私の実体験です」
驚くようなエピソードばかりだが、どれも実体験なだけに濃い内容になりそう。これからも、ちょっと怖い、リアルなホラーが楽しめそうだ。
取材・文=澤田佳代