仕事や人生に疲れた女性が1DKでメイドを雇う?日常の温かさ描く物語が生まれたきっかけとは【作者に聞く】
「つらいときもあるけど、優しい人に会えてよかった」漫画で元気になるお手伝いができたら
上原さんも朝顔さんも、つらい過去を抱えているが、1DKで出会って新しい毎日を積み重ねていく。物語の内容を考えるとき、影響を受けた出来事や作品はあるのだろうか。
「1人暮らしを始めたときは部屋にテレビがなく、静かな時間が寂しかったけど、隣人がお風呂で歌うGReeeeNの歌が聞こえてきてホッとしたこととか、豪雪のときに向かいの家の人がママさんダンプを貸してくれたこととか、夜に一緒に雪かきした奥さんから『雪が降るとこんなに明るいんですね』と言われたこととか…。いろんな人がいて、つらいときもあるけど、優しい人にも会えてよかった…と思いました。漫画に関しては、日常と空想の世界を行き来して、ふわふわした雰囲気なのにちゃんと残酷なことが起きるというお話の今日マチ子さんの作品が好きです」



漫画には「私もこんなメイドさん欲しい」「当たり前の日常ってこんなに尊いものなんですよね」などの感想が寄せられている。最後に川端さんの今後の創作活動の展望と、読者へのメッセージを貰った。
「見てくださってありがとうございます。今後も細く長く続けていけるよう、がんばろうと思います。この作品をきっかけに、連載を目指して編集者さんに漫画を読んでいただけるようになりました。『こういう風に受け取られるのか〜』と教えていただけることが、とてもありがたいです。読んでくださった方が抱えているつらいことの根本的な解決はできないけど、なんとなく元気になるお手伝いができたらうれしいです。心身の健康をお祈りしております」



忙しくて悩みも尽きない毎日を過ごしていると、日常にある小さな幸せや温かさに気付けなくなってしまう。そんなときは、一度立ち止まって読んでみてほしい。
取材・文=松原明子