うつ病になった娘を支える母親。悩み、傷つき、葛藤する姿に「共倒れになりそう」「支える家族もきつい」の声【作者に聞く】
母親の視点からうつを描く「支える側のきれいごとでは済まない描写はあまり見かけない」
人間の本音と建て前や生き方、心理などに興味を持ち、漫画を描き始めたというまつださん。SNSや書籍などでは、うつ病の当事者・経験者の発信を目にすることが多いが、まつださんの作品は、うつ病の娘を母親の目線から描いている。今回の作品を描いたきっかけと、母親の視点にした理由は何だったのだろうか。
「困っている人、つらくて誰にも相談できない人、人生に絶望している人の助けになりたかったからです。母親の視点で描いたのは、支える側のきれいごとでは済まない描写をあまり見たことがなかったのが理由です」


うつ病は、真面目で責任感の強い性格の人などに多いと言われている。みゆきも曲がったことが嫌いで、自分にも他人にも厳しい性格だった。もちろん、それは悪くないことだが、思いの強さはときに自分を縛ってしまうことも。まつださん自身にもそういった経験はあるのか聞いた。
「今までの人生の中のほとんどが、よくわからない正論や根拠のない正義感で縛られていたと思います。女や男はこうあるべき、食事は3食、早寝早起き、新人の所作など、何でもです。人それぞれが自分の感覚だけに従って生きていて、周りも干渉しなければ、もっと楽になって幸せに生きられるのに、と思います」


