「俺と結婚しないとクビ」上司のパワハラに耐えかね退職を決意するが…母親が猛反対。私を愛してくれるのはこの人しかいないの?【作者に聞く】




――お母様が味方になってくれないことで、一層つらい思いをされていたと思います。尾持さんやお父様に対する“言葉の暴力”は、日常茶飯事だったのですか。
はい、日常茶飯事でした。すごく機嫌がいいときは言葉の暴力がない日もありますが、本当にごくまれです。
幼い頃から、私と父に交互に漫画内で登場したような攻撃的な言葉をぶつけていました。当時モラハラという言葉を知っていれば…母が異常だと気づけていたかもしれません。






――「周りを固められて退勤後のデートを断れなかった」という描写が衝撃的でした。「嫌田さん」との交際については、社内では知れ渡っていたのでしょうか。
前の話で登場した飲み会に参加していた社員には交際していることが知られていたので、不参加の人(ほぼ全員参加なので、わずかですが)にも噂ですぐに知れ渡っていました。
社内ではこの状況をおもしろがっている人がほとんどだったのだと思います。






――正常な判断ができなくなっていると気づくこと自体が難しい場合が多いと思います。何か前ぶれみたいなものはありましたか?
嫌田さんのことが元々苦手だったのですが、「苦手」とか「嫌だ」という気持ちがだんだんマヒしてきたのと、嫌田さんや周りに反抗する気力がなくなってきて、逆らうということ自体考えなくなっていました。
こういった、自分の気持ちが薄れていく状態になったら危ないかもしれませんね。
希望に満ちあふれていた新卒社会人が、過酷すぎる会社のパワハラで「人生が狂っていく」過程を描いた
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取材・文=濱田瑠奈