妻のことを心から愛しているのに、できない。セックスレスの男が抱える“誰にも言えない秘密”とは?【作者に聞く】

離婚という結末は最初から考えていた

加恋から勇気をもらい、ついに自身の性癖や気持ちを妻に打ち明けることに。何時間も話し合った末に2人は「離婚」という結論を選ぶが、この展開に迷いはあったのだろうか。

「離婚という結末は最初から考えていました。しかし読者は、めでたくセックスレスを解消して離婚回避…というラストを期待するのでは?と思うと、がっかりさせてしまうかも…という不安がありました。それにこの夫婦は、相手のことを愛しているのでなおさらです。好きだけど別れるなんてとてもつらい決断ですが、『自分らしさを大切にする』という点を第一に考えて、あえて離婚させました」


2人が自分らしく生きていくために別れは必要だったと感じるが、蒼乃シュウさんの考える幸せはどのようなものか聞いてみた。

「一般的に愛とは自分よりも相手を大切にすることですが、だけどそれだと必ずどちらかが我慢をしなければいけません。夫婦として共に生きていくためには相手の気持ちを優先したり、歩み寄ったりすることも大事だとは思いますが、この漫画のテーマは『セルフラブ』なので…。相手に無理をさせたり、自分を偽ったりするのではなく、自分は自分らしく、相手も相手らしく、それぞれが自分の幸せを優先することは可能だと信じています」

漫画の主人公であるメンエス嬢の加恋は、肌に触れるだけで相手の心がわかる女性。美しいだけでなくその言葉にも力があり、多くの客に「自分を好きになるためのきっかけ」を与えていく。そんな加恋のセリフを考えるうえで、意識していることを教えてくれた。

「『絶対に説教はしない』と、心がけています。結構辛辣なことは言うのですが(笑)。問題をズバリと指摘するのではなく、どういう言葉をかけてあげればこの人は癒やされて自分を好きになることができるだろうか?と考えています」

離婚したあと、ストッキングを開発する会社に転職し、脚フェチ仲間たちと仕事に打ち込む我妻。自分の性癖を隠していたときとは見違えるほど楽しそうな表情は、自分らしく生きている証拠だろう。次回は加恋のもとに、どんな訳あり客がやって来るのだろうか。今後も楽しみにしてほしい。

取材・文=石川知京

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