【漫画】タヌキがSNSを駆使して人間を教育!?「真実と求められている姿は全然違う!」【作者に聞く】


子どものころに親しんだ獣人や妖怪を今は描く側に。難しくてもこだわりたい。

タヌキに限らず図師さんの漫画は、狐や雪女など、「人ならざる者」の物語を描くことをテーマにしている。その理由について聞いてみた。

「小さいころから物語で彼らに親しんできたからだと思います。童話に始まり、『かいけつゾロリ』『ケロロ軍曹』『ゲゲゲの鬼太郎』など、子どものころに観ていたものの影響がすごく大きいです。昔から友達を作ることに苦手意識を持っていて、だからこそ現実では会えない彼らと仲良くなりたいという想いが築かれていったのかもしれません。それに、人間だけを描いていてもあまりワクワクしないんですよね。やっぱり、獣人や妖怪を描いたほうが自分らしく漫画を作れます。彼らを主人公に据えるのが難しいことは身にしみてわかっていますが、そこにはこだわっていきたいです」

「狐の嫁入りを見てはならない」1画像提供:図師雪鷹(@zushi_yukitaka)

「狐の嫁入りを見てはならない」2画像提供:図師雪鷹(@zushi_yukitaka)


現在はおもにSNSで短編漫画や4コマ漫画を投稿している図師さん。登場人物も世界観もさまざまだが、描くときに共通して心掛けていることがあるそうだ。

「なるべく、自分が思ってもいないことは描かないようにしています。創作の難しいところは、自分以外のキャラクターを作り出さなくてはいけないところにあると思います。自分が何も共感できない、ハリボテのようなキャラクターを生み出すことほどしんどいことはありません。できるだけ、どのキャラクターにも自分のエッセンスを組み込んでいけば、そのキャラクターを私自身が捉えやすくなり、説得力のある内面描写が描けると思っています」

「雪女が『温もり』を知る話」1画像提供:図師雪鷹(@zushi_yukitaka)

「雪女が『温もり』を知る話」2画像提供:図師雪鷹(@zushi_yukitaka)


自分の作った物語を表現したいと漫画を描き始めたものの、画力がなく心が折れてしまったこともあったそう。しかし、再び夢に向かって進んでいる図師さんに、今後の展望を聞いた。

「現在は、出版社に持ち込む用の読み切り漫画を制作しています。全くの新作ではなく、以前Xで発表した『狐の嫁入りを見てはならない』を改良する予定です。この作品は自分の漫画人生のなかで最も多くの方に読んでもらえた作品ですが、4ページという枠組みの中では表現しきれなかった部分も多々ありました。もっと登場人物や世界観を好きになってもらえるよう作り直しているので、期待してもらえるとうれしいです!同時にXで定期的に4コマ漫画も発表して、世に埋もれないように漫画を描き続けていきたいです」

図師さんのこれからの漫画にも期待したい。

取材・文=松原明子

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