40代独身会社員「マンションのリノベ沼」にはまる!金額は?業者の探し方は?ついに念願のオタク部屋完成!【作者に聞く】
やっておいてよかったのは「土間とオタク部屋を作ったこと」
2024年6月現在、購入してから3年。今だから思う「もっとこうしたほうが」と後悔したところを聞くと「キッチンの照明と床です。キッチンの照明が直管蛍光灯なんですが、引っ掛けシーリングライトに変更したかったです。これは電気工事士の資格がないと無理なので、DIYできないのが残念です。また、床が無地柄のクッションフロアなのですが、もっと楽しい柄に変更すればよかったと思っています。床に関してはいつか、DIYで変えたいと思っています」とのこと。
反対に、3年前に「コレをやっておいてよかった!」と、自分を褒めたくなるポイントは「間取り変更して土間とオタク部屋を作ったことです」というお答えが。「マンションで一番苦手な造りは、玄関が狭いこと。土間を作ったことで、外に必要なものはすべて土間に置けるし、広く感じられてよかったです」。映画『アメリ』のような壁紙の色や本棚など細部にこだわったオタク部屋は、生ハムさんの長年の夢であり、読者からの反響も大きかったそうだ。漫画の中でもリノベーションの魅力を感じられるシーンで、憧れる読者も多かったのでは。




購入代金だけでなく、リノベーションのための打ち合わせの大変さも紹介。一番は「デザイナーさんとの打ち合わせで細かく資材やデザインを決めたとき」だとか。その様子は漫画でも見られるが、特に大変だったのは「壁紙やクッションフロアなどを決めたとき」と言う。「それこそ“白は200色ある”じゃないですが、青でもグレーがかった青にするか、それより少し明るい青にするかなど微妙な差の素材がたくさんあり、決めるのにとても悩みました。実際、現場に行ってその部屋でどういう色合いに見えるかなどを確認してから決めたものもありました」というから、想像するよりも大変な作業だったことがうかがえる。
「アラフィフになる私のエッセイを読んで、参考にしてもらいたい」
それでも、マンション購入は生活によい変化をもたらした。


「観葉植物を迎えました。私はサボテンも枯らす人間なのですが、マンション購入を機に何かを育てられる人間になりたく、1本ずつ地道に増やしていき、現在4本あります。一番長いのがパキラで、最初30センチくらいだったのが120センチくらいまで大きくなりました」。さらに「自炊をするようになりました。丁寧な生活とまではいきませんが、体のことも考えて炊飯器を購入しました」と、漫画には描かれていない、その後の生活を教えてくれた。
本作を描いて「今回のリノベの話が初めてのエッセイ漫画でした。こうやってたくさんの方に読んでもらえたことがうれしいです」と、率直な気持ちを話す生ハムさん。これからの作品づくりにも大きな夢が広がったようだ。「今後も特にテーマなどは決めておらず、楽しかったこと、感じたことなどを描きたいときに描ければと思っています。私は現在40代後半=アラフィフになります。今まで同年代の方や年上の方たちのエッセイなどを読んで笑ったり、安心したり、参考にさせてもらってきました。私も今後、別の方から『そういうのもあるんだ』と思ってもらえるようなサンプルを増やしていけたらいいなと思っています」
取材・文=澤田佳代