「高齢受給者証」?家系図や病歴?救急搬送された病院で父のことを聞かれても、わからないことだらけ!/父が全裸で倒れてた。#4【作者に聞く】

夜の病院で待つ時間はひたすら長く感じられる


偶然にも、父が普段からお世話になっている病院に搬送されることになったが、依然として予断を許さない状況だ。キクチさんと目が合いホッとしたような様子を見せてから、再び意識が遠のく父親を見て、キクチさんは複雑な表情を浮かべる。

「父は意識が朦朧としている中、私と目が合ってにっこりと笑うと、すぐに眠ってしまいました。私もにっこりと笑いましたが、内心は不安が大きくてうまく笑えてなかったような記憶があります」

第4話4-1 作=キクチ

第4話4-2 作=キクチ

第4話5-1 作=キクチ

第4話5-2 作=キクチ

第4話6-1 作=キクチ

第4話6-2 作=キクチ


病院に到着して安堵したのも束の間、ただただ待つことしかできずにもどかしい時間が流れていく。ここまでにも、救急車が来るまでや搬送先が決まるまでが長く感じられたという描写があったが、夜の病院で1人で待っている時間は特に長く感じられたのではないだろうか。

「病院に着いてから初めて看護師さんに話しかけられるまで1時間は待ちました。救急の待合はとても静かでしたが、同じく待合で診察を待っている方が咳の症状があって、その咳の音だけが響いていました。私は携帯の充電が少なくなっていて、モバイルバッテリーもなかったので、なるべく携帯も使わないようにしていました。ぐるぐると不安だけが頭の中でいっぱいになって、孤独を感じながら待っていました」

病院の受付で父に関することを聞かれても、離れて暮らして久しいこともあり、即座には応えられなかったキクチさん。自宅介護の末に母を看取った経験はあるものの、倒れた時の入院の手続きは父が済ませたので、初めてのことだらけでてんやわんやだ。

「一番困ったのは患者情報の記入です。本人、もしくは普段から同居していないとわからないような質問事項ばかりで困りました。項目の内容は、健康診断の問診で聞かれるような生活習慣や持病、アレルギーなどです。ただでさえ頭がパンクしそうなのに、さらに脳に負担がかかりました。家系図も、父の家系が少し複雑で把握できてない部分も多かったので『これは何のために必要でどこまで書いたら良いんだろう』と悩みました」

病院に運び込まれて一安心だが、父について分からない情報が多いなど前途多難な場面が描かれた「父が全裸で倒れてた」。つらい状況も淡々と、時にクスリと笑える場面を挟みながら描くキクチさんの漫画を、今後も楽しみにしてほしい。

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