パニック障害のせいで、歯の治療だけで100万円超え!?全身麻酔で抜歯に挑む【漫画の作者に聞く】
全身麻酔に抗うという、ささやかなレジスタンスは当然無駄な抵抗でしかなかった。一瞬で意識が落ちる。そして気が付いたときには…。









歯石取りが地獄の痛み!隣のおじさんも海老反りに
パニック障害のために、大がかりな治療となってしまった。ほかにもこの治療ではさまざまなエピソードがあったという。「小心者で元々注射(採血)が苦手なのですが、採血6本分をなんとか耐え抜いたあとに、『血の凝固検査で、今から少し耳たぶを切らせてもらいますね』と言われ、めちゃくちゃ焦りました。内心『耳たぶを切る!?え、どういうこと!?』とパニックでしたが、今さらうろたえるのも格好悪いので、『どうぞ』と真顔で乗り切ったものの、終わったあとは足がガクガクで、アヒルみたいな歩き方で次の検査室まで行きました」
手術前に歯石取り(歯のクリーニング)を行ったが、こちらも大変だった。「歯石取りを体験された方はわかると思うのですが、これはもう痛いなんてもんじゃない。痛みで海老反りになるのを押さえつけられながら、なんとか終わりました。このときは薬を飲んでいたとはいえ、パニックの発作が全く出る気配すらなかったのが不思議でした。それくらい、余裕がなかったともいえます…まさに地獄の痛み。横で歯石取りをされているおじさんも全く同じ状態になっていて、ちょっと笑いました」
医療関係者を始め、たくさんの人に感謝
大変な体験をした種さんだが、「今回、関わってくれた方全員に本当に感謝しています。実際に診てくださった先生方はもちろん、漫画には出てきていませんが、いろいろ教えてくれたり、励ましてくれた友人たちもたくさんいます。なんだか『大病からの復活感』がありますが、実際はただの『歯』の治療なんですよね。パニック障害になってから、小さなことでも本当にたくさんの人の支えが身にしみています。なにより、ずっとこのただの『歯』の治療に付き添ってくれた夫にも本当に感謝です」
※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。似た症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため、閲覧にはご注意ください。
取材・文=折笠隆