「パニック障害」になって気づいた、生き方のコツとは?心の病で苦しむ前に伝えたいこと【漫画の作者に聞く】














パニック障害になってはじめて気づいたのは、平凡な毎日を送れることの幸せ。もう無理や無茶はしない。激しいストレスがかかることは、自律神経が悲鳴を上げる前にやめればいい。当たり前のことができるようになった毎日に戻り、種さんは強く思う。
若いころほとんど寝ずに遊んだことを後悔
原因不明の最初の発作から6年目。「発作が出そうなタイミングをある程度見極められるようになったのと、薬を正しく使うこと」で、やっと発作はほぼ出なくなった。しかし、「全く出ないわけではないので、上手に付き合っていけたらなという感じです」
パニック障害の原因は人さまざまだが、種さんが一番に思い当たるのは無謀な生活習慣。「かなり若いときから、朝〜朝方まで働く生活スタイルで、自律神経はかなりボロボロだったはずです。10代のころは丸1日寝ずに、3〜4つ掛け持ちしたアルバイトをこなし、その後遊びに行くなんてこともザラでした」
20代になるとお店の経営を始めた。「さらに無茶苦茶な生活をしていましたね。とにかく毎日ほぼ寝ていなかったように思います。毎日楽しかったですが、今になって規則正しい生活や睡眠の大切さが身にしみます(笑)」
「このくらいの無茶、自分は大丈夫」と思わないで
過酷な体験を経た今、種さんが伝えたいことがある。「これはもう絶対に言えるのですが、無茶(無理)をしているときやちょっと身体の調子が悪いときに、『自分は大丈夫』と思わないように気をつけてほしいです。これは後々、しんどい思いをすることの方が多いですから」
種さんは続ける。「逆に、患ってしまったときには『自分は大丈夫』だと思ってほしいです。しんどいときはどうしても、つらく、苦しい気持ちになってしまいがち。でも単純に、自分より大変な人たちはたくさんいるだろうし、なによりも『つらい』と思うより楽しいことを考える時間が多い人生の方が、心にも身体にもよいと思って。人によっては難しいかもしれないですが、私はそう考えて生きています」
最後に「私の漫画を読んで参考になるかはわかりませんが、『病気との付き合い方』のひとつとして、この作品を心のどこかに置いていてもらえるとうれしいですね」
※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。似た症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため、閲覧にはご注意ください。
取材・文=折笠隆