「奥さんの写真ください」とお願いする不倫相手。「こんな悪女が実在するのかと、驚きながら描いた」【作者に聞く】
実話にフィクションを混ぜ、物語としてのおもしろさを追求




読者から寄せられる不倫体験を漫画にする際、フィクションとノンフィクションの割合はどれくらいなのか聞いてみた。
「話にもよりますが、5:5程度で描くことが多いですね。実際の体験から生まれたテーマや感情をベースにしつつ、物語としての面白さやテンポを出すために、フィクションの要素を加えています」
また、100%ノンフィクションで描かない理由についても教えてくれた。
「実話そのままだとリアリティはありますが、すべてを描くと単調になったり、伝えたいメッセージがぼやけてしまったりする場合もあります。なので、体験から核心となる部分を抽出し、そこにフィクションで膨らませたエピソードを足していく感じです。フィクションが混ざることで物語としての起伏が増し、読者の方により楽しんでいただける作品になるよう心がけています。また身バレを防ぐために、脚色を希望するタレコミ主さんも多いです」
今回の作品に登場する不倫相手の「なな」は、人の物を奪うことに快感を覚える女。やがて物だけでは飽き足らず、彼女持ちや既婚者の男性を誘惑するようになる。彼女のキャラクターはどのように作り上げたのだろう。
「正直、タレコミ主に聞いた内容と、ほとんどイジっていません。『世の中にこんな悪女がいるのか…』と、私自身も驚きながら描いていました」
妻の写真を眺め、「旦那さん私にゾッコンだよ…楽しい…もっと奪いたい」と呟くなな。彼女の誘惑やお願いは、ここからさらにエスカレートすることになる。シタ側からの体験談を赤裸々に描く漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
取材・文=石川知京