がん病棟で暮らす毎日…“先輩患者”の話を聞いたら、不安も少し和らいだ【漫画の作者に聞く】





がん病棟の患者は年齢層が高め。鼻にガーゼをした患者に話しかけられた。同じ鼻腔ガンで手術をした人だった。その手術跡を見せてもらったら…。











家族との交流の時間が心の支えに
家族は、できる限り毎週末お見舞いに来てくれた。「売店の前のテーブルでみんなでアイスクリームを食べるのが定番。ほかには、毎晩10分程度、公衆電話から家に電話をかけていました。家の固定電話にかけた方が、夫の手を煩わせずに子供たちと直接コミニケーションが取れると思ったからです。『おやすみ』が言えただけの日もありましたが、今思い返すとよかったなぁと感じます」
患者さんに鼻の手術の跡を見せてもらったことで、不安が和らいだ。「手術は鼻の横を切ると伺っていたので、顔の中心付近に大きな傷跡が残るものだと思っていたんです。想像よりもだいぶ小さく、コンシーラーなどを使用すれば化粧でごまかせる程度の傷口だったので、ものすごく安心しました。顔が変わっても仕方がないと思って入院していましたが、傷が残らないに越したことはないので、ホッとした記憶があります」
患者さん同士の交流は一線を踏み越えない
入院して感じたこととして、「患者の皆さんですが、仲良くなってもそれぞれ互いに踏み込んではいけないラインっていうのを気をつけてお話ししているなぁと感じることが多かったです。調子が悪そうなときは、あえて声をかけないようにしてくれたりとか。大人だなと思いました」
さらに、「患者さんは、それぞれ具合が悪くなったり退院したりするタイミングが違います。それだけに、自分以外の患者さんをうらやましく思うときもあると思うんです。私は正直言って、ほかの患者さんがうらやましいと思うときが何回かありました。だからこそみんな、仲良くなってもなりすぎないようにしてる部分があるんじゃないかなぁと感じました。人をうらやんでも仕方がないので、自分を守るためにも患者同士の距離感をうまいこと取る必要があると思います」
※本作で紹介している症状は、個人の体験談でありすべての人に当てはまるものではありません。症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含む為、閲覧にはご注意ください。
