「#さす九」男女差別が根づく九州を皮肉るスラングが炎上!?脱出するとわかる「あれはひどかった」の声【著者に聞く】
X(旧Twitter)で「さす九(さすきゅう)」というワードがトレンド入りし、議論が白熱中だ。「さす九」とは日本のインターネットスラングで、九州男児の亭主関白ぶりを「さすが九州」と略語にしたものだ。今回、イラストレーターのオカン羊(@shimizoon)さんが漫画『我が家のさす九』を投稿すると1.8万の反響があった。今回はオカン羊さんに制作の経緯やさす九についての思いを聞く。
家事や育児は「男はやらなくていい」と言われて育った!その環境に異議あり

今回のエピソードのネタとなった話は、Xで「九州出身の男性が“俺の父親がきて、妻がテーブルでごはんを食べていることに大激怒。理由は、土間で正座をして食べていないから”と言っていた(以下省略)」と発信したことだった。今どき、土間で正座して食べるのが当たり前といった感覚に驚きを隠せない。
この投稿は炎上。そのほかの九州男児あるある亭主関白エピソードが届き、「さす九」と揶揄されるようになる。しかし今度は、何でも「さす九」と言われるが、それは地域差別ではないか?といった議論展開に発展。すると、「地域差別の前に、たしかに女性差別があるから言われるんでしょうが!」と反論するかのように九州女子たちが自分の経験を投稿。オカン羊さんは「さながら#metoo運動のようだと眺めていました。元熊本女子として、ささやかながら参戦した次第です」と、制作の経緯を話す。

オカン羊さんも九州熊本の出身。今回のさす九エピソードとして、父親のことを描く。産後、父親から電話がきた。「おめでとう!この子は賢くなる」という言葉とともに、「子育ては素晴らしかよ!」と言われてブチッと切れてしまった。産後のせいもあるが、「育児など一切しなかった父親に何がわかる!」と思ったそうだ。それを父に言うと「あぎゃんのは、女の仕事ったい!馬鹿が」と怒鳴り散らされた。あぎゃんとは「ゴミ出しを含む家事育児など」のことを指す。

九州では、「男はそげんことせんでよか=男はそんなことしなくていい」という言葉もよく聞く。お酌やお茶汲みは当たり前、妻は台所に近い場所に座るなどもよく聞くエピソードだ。このような家族との関わり方の一切をどこかに置いてきたような昭和の男性は、九州に限らずどの地域にもいるだろう。「『九州だけじゃない』という指摘は正しいというか、そもそも『九州特有の文化だ』と断定している人は、ほとんどいないのではないでしょうか」と、オカン羊さんも言う。