インフルエンザから復活した作者が、父の主治医から告げられた病名とは…?【作者に聞く】
父は珍しいタイプの「悪性リンパ腫」であったことが判明!
よりによって年末というタイミングでインフルエンザにかかってしまった作者のキクチさん。自身も苦しかったはずだが、まずは父に移していないかや必要な消耗品を届けられないことなどが気になり…まさに極限状態だっただろう。
「父の入院している病院は年末年始の面会を禁止にしていました。なので『どうせ会えないなら』と、休むことに専念できたのはタイミング的には良かったと思います。ただ、どうしても消耗品の供給だけは間に合わない。罹患前に補充をしていなかったので、インフル明けまでのストックはありません。そこで看護師さんに相談したところ、病院で余っているオムツを使わせてくれるとのことでしたが、あまり数はないということで、ピンチな状況に変わりはありませんでした」






オムツや尿取りパッドなど父に届けなければいけないものがあるが、同居の夫も濃厚接触者となってしまい動けないという状況で、作者は親戚の力を借りることに。一人娘として父のサポートを一身に背負いながらも、いざ困った時に頼れる存在がいてくれることは安心感につながっただろう。
「正月明け早々に『オムツを届けてほしい』とお願いするのが申し訳なさすぎて…少し躊躇しましたが、他に頼れる人がいないので思い切って相談しました。父が倒れてから私を支えてくれたのは母方の親戚です(父方は80代のお姉さんしかおらず…)。昔からお盆や正月は毎年集まり、仲の良い関係を続けていました。そのため、病状を共有したり、緊急時の対応用に親戚だけのLINEグループをつくり、連絡を取っていました。そのおかげで、今回の緊急の相談もスムーズに話を進められたと感じています」
インフルエンザから復活した作者は、父の主治医から父が珍しいタイプの悪性リンパ腫であったことを告げられる。医師から説明された内容はかなりシビアにも感じられるが、これまでの八方塞がりだった状況を考えると「病の原因が発覚して抗がん剤が効いている」という事実だけでも前向きに感じられる場面だ。
「珍しいタイプのリンパ腫と聞いて、不安になりました。珍しいということはなかなか治療法や症例も少ないのかなと。しかし先生からは『最近新しい治療も開発されたから』と希望の持てる情報をいただきました。病院を出てすぐに調べると、某大学の研究に関する記事がヒット。素人なのでほとんど理解できていませんが、新治療の効果があることだけはわかり、少し前向きになれました」
父の容態が安定しているという嬉しい報せを聞いた後、なんと父からLINEが!?という場面で終わった今回のエピソード。つらい状況も淡々と、時にクスリと笑える場面を挟みながら描くキクチさんの漫画を、今後も楽しみにしてほしい。