離れて暮らす母に会いたくて、家出を決意。優しい祖父母より冷たい母の方が好きでたまらないのは、なぜ?【作者に聞く】
子どもにとって母親を愛するのは、動物的本能
「優しくしてくれる祖父母よりも冷たい母親のほうが好きでたまらない」という、えっちゃんの複雑な心情がとても印象的な本作。理解できない読者も多いかもしれないが、忍者ママさんはこの心情を理解することができるのか聞いてみた。
「私は理解できます。母を愛するというのは、動物的本能だと思っています。私自身、母を人としてダメだなあと感じる点は多々ありますが、大人になった今でもむげにはできません。『母親』というDNA的怨念に縛られているのかもしれませんね(笑)。私は幼稚園児くらいのころ、母を見上げて、『何でこんなにお母さんが好きなのだろう』と思ったことを覚えています。母も母で、難ありの祖母のことが大好きで仕方なかったはずです。そう考えると、冷たい祖母の態度は、母にとってとてもつらかっただろうと思います…」
思い切って家出し、母親に会いに来たえっちゃん。しかし母は知らない男性と暮らしていて、「母に会うには理由がいることを知った」という一文がとても印象的だ。生きるために男といることを選んだ忍者ママさんのおばあさんに、娘・えっちゃんへの愛情はあったのだろうか。
「愛情は確かにあったと思います。元の祖母の実家はとても裕福だったらしく、わがままなお嬢様気質が育児をうまくやれなかった原因だと考えられます。育児は、思い通りに行かないことが多いですからね。祖母も親として少しずつ成長できるはずだったのですが、戦争の過酷さや旦那の死がその機会を奪っていったのではないでしょうか」
ちなみに忍者ママさんは祖母に何度も会ったことがあるそう。祖母の印象や、率直な思いを教えてくれた。
「よく会ってはいたものの、私は、祖母が嫌いでした。それはぶっきらぼうな私を祖母が嫌っていたからだと思います。どっちが先に嫌いになったのかはもうわかりません。素直な人なので三姉妹でちゃんと格差をつけられていて、私だけプレゼントなしとかもありました。だから私もますます祖母と距離をとっていって…と、悪循環だったのかも(笑)。子どもは愛されることが前提の生き物ですから、たとえ嫌いな人でも、愛されていないというのを直視させられるのはつらかったです。そう考えると、実の母からそんな対応をされていた母は、やはり相当寂しく悲しかったのかなと思います」
複雑な思いを抱きつつも嫌いになれないお母さんとの関係や、そんなお母さんの幼少期を赤裸々に描いた漫画を、今後も楽しみにしてほしい。
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