<川島海荷&かもめんたる・う大>演劇とテレビドラマで展開の新プロジェクト「君しか見えないよ」への思いとは?
東京ウォーカー(全国版)
レプロエンタテインメントが運営する浅草九劇とBS松竹東急がタッグを組み、演劇作品を上演したあと、同作をテレビドラマ版として放送するプロジェクト「演劇で、テレビドラマで、」シリーズの第1弾「君しか見えないよ」が始動した。そこで今回は、主演の川島海荷と、キャスト兼舞台演出の岩崎う大(かもめんたる)にツーショットインタビューを敢行。本作への思いや、お互いの印象などを語ってもらった。
――今回の作品は「演劇を上演したあと、テレビドラマ版として放送する」という、新しい形のエンターテインメント作品です。舞台演出を担当する岩崎さんは、この“演劇+テレビドラマ”という形式について、どう思われましたか?また、川島さんは出演のオファーを受けた際、どのように感じられたでしょうか?
【岩崎】実は最初、説明されてもよく理解できなくて…。どういう形になるのかなと。でもまぁ、そうした企画が通って僕のところまで来たお話ということなので、想像できる人には、その魅力が想像できているんだろうなと。僕も、演劇とテレビドラマの融合ということで、両方観たあとはどういう気持ちになるのかなと興味を持っています。演劇とドラマが成熟してきたこの時代にやるということで、ロマンを感じていますよ。
【川島】私も「“演劇+テレビドラマ”ってどういうこと?」って。まったくイメージができなくて、出演のオファーをいただいたときは正直よくわからなかったです(笑)。最近舞台の配信も増えてきて、私自身も舞台を映像で観ることを何度か経験してきましたが、舞台って生で観たらすごくおもしろいのに、映像だけで観ると少し物足りないような気持ちになったりしていました。だから、「演劇を上演したあと、テレビドラマ版を制作して放送する」という形は、シンプルな舞台の配信よりも、作品の魅力を感じられるんじゃないか、舞台鑑賞初心者の方も取っ付きやすくなるんじゃないかと思います。「君しか見えないよ」は少し複雑な内容ではあるのですが、舞台のあとにドラマを観たときに「実はこういうことが起こっていたんですよ」というのが、よりわかって楽しんでいただけると思います。
――川島海荷さんと岩崎う大さん、お互いの印象を教えてください。
【岩崎】まだ始まったばかりではあるのですが、一緒に舞台を作らせていただいて、やっぱりすごく真面目に舞台に臨まれる方なんだなと。直前までお忙しかったのに、たくさんのセリフも頭に入れてきてくれて。あと、演出の部分で、僕の言葉を理解してくれる人とそうでない人がいるのですが、そういうのは今まで経験してきたことが近かった人の方が通じやすいんですね。海荷ちゃんは、そういうところが通じやすかったり。ハードル高めな課題も多いので、演じるのは大変だと思うんですけど、海荷ちゃんはこのまま上手くやってくれるのではないかなと安心させていただいています。主役が似合いますよね。
――ちなみに「ハードル高めな課題」というのは具体的にどんなところでしょうか?
【岩崎】主役であること、すごくセリフが多い場所があるということ、リアルな空間はもちろん、映像作品でもありえないようなセリフがあること…などです。自分の整理が追いつかないうちに、次のセリフを言わなくてはいけないというようなシーンも多々あるので、いろいろハードだと思います。
――セリフは多い方でしょうか?
【川島】そうですね。冒頭からひとり語りで始まるというのは初めてですし、こういうのも主役だとやらなければいけないんだな~と(笑)。試されているような気もするし、鍛えられているような気もします。これまでは、私って感覚的な人間なのかな?と思っていたんですけど、めちゃくちゃ違ったなと思いました。特にこの作品は、研究熱心にやらないと、難しいし全然読み解けない。しっかり一つひとつ詰めていかないと、自分の頭も追いついていない…ということになるので。それはやりがいのある部分でもありますし、今回の自分の課題でもあるなと思います。
――そして、川島さんから見た岩崎さんの印象はいかがでしたか?
【川島】すごく心強いですね。最初、本読みなどをさせていただいたときに、作品についての分析だったり、場面でのトーンだったり…というところをすごくチェックされていて。そのうえで演出してくださっているので。う大さんの言っている意図はなんだろう?と考えながら、駆け引きじゃないですけど(笑)、やらせてもらっているという感覚です。でも、全部見透かされている感じがして怖いです(笑)。
【岩崎】(笑)。僕はそういう印象を人に与えがちなんだよな~。もちろん、海荷ちゃんのことはちゃんと見ているけど、たいして見ていない人からも「見透かされている気がする」って言われる(笑)。あと、さっきの「駆け引き」っていうのが、結構ビックリするワードだったね。僕もいっぱいいっぱいなので、それを感じ取るまでの余裕はまだないかも?でもやっぱり、頼もしく見えているかもしれないですけど、お医者さんが不安そうにしていたらイヤなのと一緒で、演出家が不安げだったらヤバいので、それなりに見えるようにはしています。嘘でもいいから、わかっているふりをするのも仕事だな~って思っています。
――「君しか見えないよ」は、劇中、一部登場人物の8年前と現在の意識が同時に存在していて、セリフも行ったり来たりです。岩崎さんは、演出でどのような点にこだわられていますか?そして川島さんは、亜寿(あず)役を演じていて難しい点はありますか?
【岩崎】セリフが行ったり来たり…というのも、単純ではなくて入り組んでいるんですよね。だけど、登場人物たちは嘘をついているわけではないので、その瞬間、瞬間の気持ちを考えていくのが答えなんだろうなと思っています。なので役者さんには、そこの瞬間には、そこの気持ちになっていただくようにしています。
【川島】演じる方としては、迷いながらも、やはり自分の見ているものをしっかり理解するというか。舞台というひとつの空間の中で、“8年前と現在”のような違った世界をどのくらいちゃんと見せられるのか…というのは、自分の立ち位置の切り替えをちゃんと理解することだと思っていて。う大さんが言うように、そのときの感情はどういうものなのか考えるのも大事だと思っています。
――最後に、ガラリと質問内容が変わるのですが、コロナ禍が落ち着きを見せ始め、巷の“旅行熱”なども復活しているようなので、おふたりが今、行ってみたいところがあれば教えてほしいです!
【岩崎】今瞬間的に、川の流れる音が聴きたいって思いました。なので、そういうのが聴ける場所を調べて、どこかに行きたいですね。近郊でもいいし、音がキレイなら汚い川でもいい(笑)。そうですね、奥多摩の辺りとか。暑くもなってきているから、そうしたところで癒やされたいですね。
【川島】疲れているのかな?もうセリフを聞きたくないよ、みたいな現実逃避じゃないですか(笑)?
――川島さんは?
【川島】もちろん、涼しい避暑地にも行きたいんですけど。今浅草に通っていて、浅草九劇のお隣にあるフルーツパーラーに行きたいなと思っているんです。まだ行けてないんですけど、セリフを100%、頭に入れたらご褒美に行こうって狙っています。マンゴーとか高級だろうけど、一番高い、盛り盛りのやつを狙って行きたいですね。
【岩崎】え~!もう行っていいよ、それは。フルーツパーラーは、そんなにため込んで行くものではないよ(笑)。
なお、「君しか見えないよ」の演劇公演は、6月1日(木)から6月11日(日)に浅草九劇で上演。ドラマは、7月9日(日)21時よりBS松竹東急で放送される予定だ。作劇は「バナナの花は食べられる」で第66回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・演出家の山本卓卓(範宙遊泳)が担当。出演者には川島と岩崎のほか、岩谷健司、郡山冬果、浜名一聖、ベンガルらベテラン勢が名を連ねる。
撮影協力:COFFEE BAR 桟敷
取材・文=平井あゆみ
撮影=奥西淳二
※新型コロナウイルス感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。
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