函館のイカはなぜおいしいのか? それにはれっきとしたワケがあった!
北海道ウォーカー
函館名物といえば、思いつくのはやっぱり「イカ」。函館では毎年6月にスルメイカ漁が解禁となり、早朝から「イガァ~イガァ~」と、朝捕れの新鮮なイカを売り歩く行商もいるほど。国内で漁獲されるイカの半分以上がスルメイカであり、「イカの中のイカ」ということから、函館では地方名で「真イカ」と呼んでいます。では、なぜ函館のイカは美味しいのか? その秘密を探るべく函館市漁業協同組合を訪ねてみました。
成熟しきった頃、イカは函館沖に到着する!

「成熟しきった真イカが、6月頃に函館沖を通過するんです」と、教えてくれたのは函館市漁業協同組合の松川雅樹さん。約1年かけて日本海沿岸を周遊しているスルメイカ。東シナ海から山陰にかけて産卵し、孵化したスルメイカは対馬海流や黒潮に乗って北上します。豊富なプランクトンを食べ、津軽海峡の荒波にもまれ育ったスルメイカは、函館沖に到着する頃、成熟したイカとなります。この恵みを受けているのが函館というわけです。
新鮮な状態で店に並ぶよう流通体制を確立
また、函館ではイカの流通体制がしっかりと確立されていることもおいしさの秘訣となっています。函館は漁港から漁場まで近いので活きがよい状態で水揚げすることができること、船に生け簀を搭載しているので生きたままイカを漁港まで搬送できること、陸に揚げてからもイカを生きたまま搬送できるよう漁協や卸売市場などが態勢を整え設備投資をしていることなどが挙げられます。水揚げされたイカは、ただちに競りにかけられ、その日の朝には小売店や飲食店に運ばれます。このように函館では、新鮮なうちにイカを食すことができるのです。
夏から冬はスルメイカ、冬から春はヤリイカがおいしい

函館では6~12月にスルメイカが味わえるほか、1~5月にはヤリイカも味わえます。身が厚くたっぷりのゴロが特徴のスルメイカは、刺身にしても良し、焼き物、煮物にしても良し!

一方、ヤリイカはスルメイカに比べ体格が小さく身も薄いですが、刺身にすると上品な身の甘みが楽しめます。
釣り上げたあとの処理方法で変わる、イカの3つの呼び名
また、「活イカ」や「生け簀イカ」などといったワードをよく耳にしますが、これはイカの種類ではなく、釣り上げられた後の処理の仕方によって変わるイカの状態のことを指しており、その呼び名は3種類あります。釣り上げられてすぐに船上で氷を敷き詰めた発砲容器に詰められる「下氷イカ」、漁船の水槽に入れられて生きたまま港に運ばれる「生け簀イカ」、そして陸揚げ後も水槽で生かされている「活イカ」です。刺身で食べるなら「活イカ」や「生け簀イカ」がオススメ。
「肉厚になる8月以降のイカは食べごたえがあっておいしいですよね。でも個人的には、まだ小ぶりですが身が薄く刺身にすると絶妙な甘みと食感が楽しめる6~7月のイカが大好きです」と、松川さん。季節や時期によっても異なるイカの旨み。何度も函館に足を運び、その味わいを楽しみたいですね。
函館のイカは「目」でも楽しめる!

函館のイカはおいしいだけではなく、夏の夜の沖合を飾る「漁り火」も風情たっぷり。暗い沖合に集魚灯の光が並ぶ光景は、とても絵になります。煌々とした漁り火は人工衛星からもハッキリ見えるそうですよ。ぜひ、目でも口でも函館のイカを楽しんでください。
■住所:函館市豊川町27-6 ■電話:0138・23・3195(函館市漁業協同組合)
【北海道ウォーカー編集部】
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