2022北京オリンピック世代のホープ達!今週末は全日本ノービス選手権!

東海ウォーカー

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10月21,22日の2日間、滋賀県立アイスアリーナにて、全日本ノービス選手権が開催される。ノービスクラスはAクラス、Bクラスに分かれ、Aクラスはその年の6月30日までに11,12歳になっている選手、Bクラスは9、10歳になっている選手が出場できる。今年は北京オリンピック世代の有望株が多数出場する予定で、見どころの多い大会となりそうだ。以下に注目選手をご紹介したい。

【ノービスA男子】全日本ノービスでの歴代最高得点を狙う!三浦佳生


全日本ノービスでは、歴代最高得点の更新、初のトリプルアクセル成功に期待がかかる


今年、急成長を遂げた選手だ。昨年まで3年間出場した全日本ノービスでは一度も表彰台を経験していない。とはいえ昨年はAクラス1年目にして佐藤駿、片伊勢武、佐々木晴也に次ぐ4位だったのだから、十分に素晴らしい成績だったと言える。そして今季、夏のアジアンオープントロフィーでの優勝を皮切りに、一気にこの世代のエースへと成長した。圧巻だったのはアジアンオープントロフィーが行われた香港からの帰国直後、全く休養もなく出場した関東サマートロフィーでのノーミスの演技。ローカル大会とはいえ、109.80のスコアは掛け値なしに素晴らしいものだった。そして東京夏季フィギュア、関東ブロックではトリプルアクセルにも挑戦。今までの男子選手が誰も成しえていない、ノービスクラスでのトリプルアクセル成功に大いに期待を持たせてくれる。

東京夏季フィギュアで話を聞いた段階では、トリプルアクセルはまだ完成していない、とのことだった。「去年、佐藤駿選手が挑戦していたのを見て、僕もやりたいと思ったんです。あと1か月あれば降りられるかな、と感じています」との強気の発言だった。この時点では選手権大会でのトリプルアクセル挑戦はまだ決まっておらず、「先生が許可してくれたら挑戦します」との言い方だったのだが、続く関東ブロックでも挑戦したところから見て完成度は上がってきているのだろう。「毎日、3時半に起きて、4時から走り込んで、リンクで練習して、それから学校に行きます。夜も深夜まで練習です」と、猛練習を重ねてきたことを話してくれた。その練習量に裏打ちされた自信を持って、全日本ノービス初優勝を目指す。

【ノービスA男子】有言実行で全日本ノービス4連覇を目指す!中村俊介


全日本ノービス4連覇を狙う、と公言しているが、今年のライバルは強い


昨年、Bクラスで全日本ノービスを連覇した中村俊介。その時点で既に「Aクラスも含めて4連覇します」と宣言していた。ただのビッグマウスではない。有言実行の選手だ。しかし今年は三浦佳生という強力なライバルがいる。優勝は簡単なことではない。

「夏のアジアンオープントロフィーが初めての国際大会で、とても緊張したんですが、その時に三浦佳生選手と一緒に滑りました」

その印象を問うと、「凄い」の一言が返ってきた。その差を逆転するためにもジャンプの種類を多くすることの必要性を痛感している様子だったが、8月の段階ではまだルッツ、フリップの成功の目途は立っていなかったようだ。それが9月末の中部ブロックでは、フリップジャンプを成功。アテンション(エッジの使い方が不明確の意味)がついたものの、短期間で大きな成長を見せてくれた。

「全日本ノービスは絶対に1位になりたいんです。ルッツ、ループを100%跳べるようにしたい。そうしないと三浦選手に勝てません」

有言実行を目指し、8月の時点では大差を付けられていた三浦選手を猛追する中村俊介。この二人の戦いは今年の大きな見どころとなりそうだ。

【ノービスA女子】全日本ノービス連覇を目指す!吉田陽菜


吉田陽菜、サマーカップでの演技。笑顔の絶えない、元気一杯の演技が持ち味だ


昨シーズンの全日本ノービス(Bクラス)の優勝者、吉田陽菜。ただ昨年はチームメイトの手嶋里佳の方が注目を集めていた。それほどマークされない中、勢いのある演技で全日本ノービスを制覇した印象だったが、今年は文句なしの一番人気。プレッシャーを感じるようになったのでは、と思ったのだが、「今年は周りからも勝ちたいと思われているようですが、自分は自分のことを頑張りたい」と前向きにコメントしてくれた。昨年に比べて、5種類のトリプルジャンプが跳べるようになったことは大きな進歩だ。最後まで手こずったのはループジャンプだったそうだが、それも克服した。そしてスケーティングの改善にも力を入れてきたそうだ。「先生から、『スケーティングが子供っぽい、ノービスAでは通用しない』と言われていたので練習を頑張りました」とのこと。

「今年の目標は、全日本ノービスで表彰台に立って全日本ジュニアに行くことです」

と意外に控え目な目標を口にするが、もちろん優勝候補の筆頭だろう。今季はノービスAのルールが変わり、コンビネーションジャンプが2つに減ったことでスコアが出にくくなることが予想されるが、それでも100点の大台に乗る可能性は十分にある。

【ノービスA女子】今季こそは優勝を狙う!手嶋里佳


手嶋里佳、中部ブロックでの演技


昨シーズン、中部ブロックで圧巻の演技を披露。全日本ノービスでの優勝はもちろん、本田真凜の持つ全日本ノービスでの最高スコアの更新も期待されたのだが、その全日本ノービスではミスがたたり、チームメイトの吉田陽菜の後塵を拝すこととなってしまった。

8月のサマーカップではジュニアクラスで出場。先輩方から大きな刺激を受けたようだ。

「自分が小さく見えたので、大きく演技をすることを心掛けました」と語るが、手嶋選手はノービス年代としてはかなり大柄で存在感のある選手だ。ノービスクラスで試合をしているだけでは、そのような問題意識を持つこともなかったことだろう。

3月の愛知県大会後に怪我をし、休養中に背が伸びたことでジャンプの感覚を取り戻すのに苦労したそうだ。「このまま出来なかったらどうしよう、と不安があった」という。ただ、練習で良くないときでも、試合本番ではしっかりとまとめられるようになってきた印象だ。全日本ノービスでは成長した姿を披露してくれることだろう。そして「全国大会でまだ1位を取ったことがないんです」と、優勝を狙う気持ちを露わにする。さらに将来に向けてセカンドジャンプをループにする練習もしている。すぐに試合に入れる予定はないようだが、意外と完成は近いかもしれない。尊敬する選手として荒川静香の名前を挙げるが、タイプ的には確かに似ているように感じる。もっとも最近は紀平梨花にも憧れているようだ。ちなみにチームメイトの吉田陽菜は本田真凜に憧れているとのこと。この2名が憧れの対象になるというのも隔世の感がある。

ところで、吉田陽菜と手嶋里佳、同い年で誕生日も1日違いだという。プライベートでも仲が良いとのことだが、小さな体で元気一杯の演技をする吉田陽菜、背が高く、大人びた演技が持ち味の手嶋里佳、それぞれタイプは全然違う。この二人が同じチームで切磋琢磨しているというもの興味深い。これからも良きライバルとして互いを高め合っていくことだろう。

【ノービスA女子】地力はトップクラス、優勝争いに加われるか。河辺愛菜


河辺愛菜、中部ブロックでの演技


この夏までは、吉田陽菜、手嶋里佳、そして河辺愛菜の愛知県勢が全日本ノービスで表彰台を独占するのではないか、との予想がされていたのだが、河辺愛菜は夏以降、不振が続いている。

「今はジャンプの調子が悪いんです。スピードを出せるようにしたい。回転不足をなくしたい」

不調とはいえ、その地力はトップクラスだ。本人も「全日本ノービスでは優勝を狙いたい」とはっきり言葉にした。復調を期待したい。

成長著しい選手が多数いる中、最も表彰台に近いと思われるのが仙台の千葉百音だ。佐藤駿と同じ浪岡コーチに師事している選手で、今年の急成長ぶりは見事なものだ。東北・北海道ブロックでは88点をマーク。全日本ノービスでは間違いなく表彰台争いに加わってくることだろう。

【ノービスB女子】ノービスBがこれほど注目されるのは羽生結弦以来!本田紗来


本田きょうだいの中で最も才能があるのは、末っ子の本田紗来だとも言われている。姉、本田真凜のスコアを超えることができるか


ノービスの中でも、Bクラスは年齢も低く、この年代の成績だけでは将来を見通すことは難しく、この連載でも取り上げることはあまりない。とはいえ抜きんでた才能を持つ選手はこの年代から頭角を現すこともある。今年は久し振りにそんな選手が現れた。本田きょうだいの末っ子、本田紗来だ。姉、本田真凜が全日本ノービスBクラスでの歴代最高得点を記録しているが、当時の注目度と比較すると、明らかに今年の本田紗来の方が上だと感じる。2004年、羽生結弦が全日本ノービスに初出場した時と同じほどの注目度だと言って良いだろう。

近畿ブロックでは、初めて試合に入れた2アクセル+3トウが決まり、自己ベストが出せたことを「嬉しい」と笑顔で語っていた。昨年は小学3年生ながら全日本ノービスに出場、まだまだ力不足な印象だったが、それから1年で長足の進歩だ。2アクセル+3トウループのコンビネーションジャンプは、ノービスB年代の選手にとっては極めて難しい技だ。トリプル+トリプルに挑戦する前に乗り越えなければならない関門なのだが、ダブルアクセルの降り方で苦労する選手が多いのだ。通常、ジャンプのランディングが綺麗に流れることは良いことなのだが、セカンドにトリプルジャンプを予定しているコンビネーションの場合、ことはそう簡単ではない。ひとつ目のジャンプのランディングが流れ過ぎてしまうと、二つ目のジャンプを踏み切れない。かといってひとつ目のジャンプが詰まり過ぎてしまうと、二つ目のジャンプの勢いがつかない。ここを小学4年生にしてクリアしてしまった本田紗来の演技には驚くばかりなのだが、聞いてみると「真凜お姉ちゃん、太一お兄ちゃんにアドバイスしてもらいました」との答えが返ってきた。さすがはきょうだい。的確な助言をしてもらったようだ。本田真凜からは試合直前に「紗来ならできるよ」とのメッセージをもらったという。そんな尊敬する姉の全日本ノービスでのスコアを、本田紗来は超えたいという。全日本ノービスBクラスでの歴代最高得点、90.41だ。ただこの近畿ブロックでの本田紗来のスコアは79.27。ジャンプでのミスが一つあったとはいえ、ノーミスでも80点台半ばまでしか行かない計算だ。本田真凜のスコアを抜くためには構成をより高難度に変更する必要があるのだが、これについては「トリプル+トリプルを入れることを考えています」と話してくれた。全日本ノービスまでに完成度が上がったならば、との条件付きのようだが、大いに期待したい。

【東海ウォーカー】

中村康一 (Image works)

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