麻生久美子が大ファンと語る人物との共演作『海辺へ行く道』が公開「きゃ~本物!!かわいい!!かっこいい!!とはしゃいだ」
東京ウォーカー(全国版)
連続テレビ小説『おむすび』ではヒロインの母親役、そしてドラマ『魔物』では殺人事件の容疑者に惹かれる役を演じて話題を集めた麻生久美子さん。最新出演作となる映画『海辺へ行く道』では、主人公の少年の親戚・寿美子を演じている。
ヒロインを務めた『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』に続いて横浜聡子監督と3度目のタッグを組んだ麻生さん。本作の撮影秘話や共演者とのエピソード、さらに話題となったドラマ『魔物』を経ての変化などを語ってくれた。

横浜聡子監督の演出は驚きの連続「おもしろくて最高な現場でした」
――横浜聡子監督とは『俳優 亀岡拓次』以来9年ぶりのタッグとなりますが、横浜監督の魅力や現場の楽しさなど、今回あらためて実感できたことがあれば教えていただけますか?
【麻生久美子】横浜さんは童心を持ったまま大人になったような方で、同い年の私は心が汚れてしまっているんじゃないかと…(笑)、そんな風に感じてしまうぐらいピュアな方だなと今回あらためて思いました。そんな横浜さんのことが愛おしくて大好きなので、今回お声がけいただいてすごくうれしかったです。
どの作品も横浜さんだからこそ作り出せる世界観ですし、唯一無二の監督だなと思います。演出に関しては、毎回思いも寄らぬ角度からリクエストが入るので、新しい発見があるんです。なので横浜さんの現場はすごく楽しくて。
――本作の現場ではどのようなリクエストがあったのでしょうか?
【麻生久美子】私が演じる寿美子さんと原田(琥之佑)くん演じる奏介が家で黒猫の話をするシーンがあるのですが、『猫に対して嫌味な感じで言ってみてください』と横浜さんが仰ったのですごく驚きました。台本を読む限りではそんな感じのニュアンスだと想像していなかったですし、私自身、動物にそんな感情を抱いたことがなかったのでおもしろくて(笑)。ただ、寿美子さんが猫嫌いということでもないんです。そこが横浜さん独自のセンスというか、おもしろさなんですよね。
ほかにも終盤のとあるシーンで『このシーンは死んでいるような感じで寝ていてほしい』『幽霊みたいな感じで演じてほしい』『ここでは寿美子がもう二度と奏介に会えなくなると感じているように見せたいです』といったリクエストをいただいて、それもすごく驚きました。映画をご覧になるとわかるのですが、まったくそういうシーンではないんです。そんな風に台本を読んだだけでは想像もしなかったようなお芝居をすることが多かったので、撮影期間中は常にワクワクしていました。
――予想とまったく違う演出に戸惑うことはなかったですか?
【麻生久美子】驚くことはあっても戸惑うことはなかったです。リクエストをいただいた瞬間に“どうやって演じようかな”と、ただひたすらワクワクする。その時間がすごく楽しくて、おもしろくて、最高な現場でした。

――主人公の奏介はアートの才能がある中学2年生の男の子で、親戚の寿美子さんと一緒に暮らしています。そんな奏介を演じた原田くんとはどのように関係性を作っていかれたのでしょうか?
【麻生久美子】寿美子と暮らす家の壁に飾ってある絵は原田くん本人が描いていると聞いたので、絵の話をすることもありましたし、なんでもない会話をしてコミュニケーションを取ることが多かったように思います。印象に残っているのが、横浜さんに対して自分の意見をはっきりと伝えていた原田くんの姿。まだ若いのにしっかりされていてすごいなぁと思いました。

――公式サイトには寿美子さんは“奏介と暮らす親戚”とだけ記載があって、具体的な関係性は明かされていないですよね。
【麻生久美子】寿美子さんって謎めいた存在ですよね。横浜さんは『寿美子と奏介は一緒にいて居心地のいい関係性』と仰っていたので、奏介に対して寿美子さんは気を遣うこともなく、お互い無言でも気まずくならないような(笑)、そんな二人に見えたらいいなと思いながら演じていました。


菅原小春との初共演に「“きゃ〜本物!!かわいい!!かっこいい!!”とはしゃいだのを覚えています(笑)」
――寿美子さんはつかみどころのない不思議な一面を持ちながらも、明るくて愛さずにはいられないすてきな女性だと感じました。麻生さんは寿美子さんをどんな風に捉えて演じましたか?
【麻生久美子】原作の寿美子さんはどちらかというと大人しいイメージだったので、最初はそのように演じたんです。そしたら横浜さんが『もう少し明るい、ちゃきちゃきした感じがいい』と仰ったので、監督が求める寿美子さん像に近づくよう修正していきました。
あと、本作に登場する大人たちはみんなどこか変わったキャラクターだったりするので、“寿美子さんは一番まともな人”だと意識した部分もありましたね。
――高良健吾さん演じる“包丁売りの男・高岡”や坂井真紀さん演じる“海岸にパラソルを立ててランチを販売している静香”、宮藤官九郎さん演じる“毎日海から現れるウェットスーツ姿の男・五郎”など怪しい人ばかりですもんね(笑)。
【麻生久美子】みんな怪しいですよね(笑)。私の中では寿美子さんが一番まともなのですが、監督は『寿美子が一番謎めいている』と仰っていました。寿美子さんって服装がいつも少し派手なのですが、それは自分の趣味を表に出す性格を表しているそうなんです。アーティストの移住を歓迎している島に住んでいることも関係あるのかどうなのか…その辺の描写はありませんが、彼女の背景をいろいろと想像しながら演じるのはすごく楽しかったです。


――菅原小春さんが演じた“奏介の叔母・メグちゃん”と寿美子さん、奏介の3人のシーンがとても印象に残りました。
【麻生久美子】私、菅原さんの大ファンなので、小豆島に向かうフェリーで初めて菅原さんを見かけた時に、“きゃ〜本物!!かわいい!!かっこいい!!”とはしゃいだのを覚えています(笑)。
――“本物だ!!”と言われる側の麻生さんでさえも菅原さんを見てテンションが上がってしまったんですね(笑)。
【麻生久美子】テンションが上がってしまいました(笑)。なので菅原さんとお芝居ができて本当に幸せでした。

――菅原さんが演じたメグちゃんは東京の貸金会社で働いていて、劇中ではアーティストから借金を回収する取り立てなどもしています。ほかにもユニークな仕事を生業とした人たちが登場しますが、麻生さんがこの海辺の街で暮らすとしたら、どんな仕事をしてみたいですか?
【麻生久美子】海が見えるカフェでおいしいカフェラテを作って提供するような、そんな生活に憧れます。フレンチトーストやパンケーキもメニューにあるような、すてきなカフェで働いてみたいです。

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