設立は23年前! ニセコブームを仕掛けた外国人とは?

北海道ウォーカー

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北海道のスキーリゾート・ニセコは主にニセコ町と倶知安(くっちゃん)町にまたがるエリアです。最近ではすっかり国際的な町になったニセコの発展を語る上で欠かせないのが、倶知安町でアウトドア体験型アドベンチャーを 23年間行っている「株式会社NAC」。

倶知安町でアドベンチャーを提案し続けるNAC


その創業者であるロス・フィンドレー氏は、1989(平成元)年にオーストラリアからスキーインストラクターとして日本に渡ってきたのがきっかけでニセコに魅了され、NACを立ち上げました。今なお代表を務めるフィンドレー氏はなぜ日本を訪れ、体験型アドベンチャーサービスをはじめたのでしょうか?

ニセコへの想いを熱く語ってくれたロス・フィンドレー氏


―――今日はお忙しいところありがとうございます。まず、株式会社NACの事業内容を教えてください。

ラフティング、ボルダリング、スキー、キャットスキー、スノーシュー、アドベンチャーパークなど、夏冬とニセコの大自然を生かした体験型のアドベンチャーを送りだしている会社です。

―――ニセコとの出会いのきっかけは、1989(平成元)年にオーストラリアからスキーインストラクターとしていらしたこと、なんですよね。

はい。もともと私はオーストラリアの大学でスポーツ学と経営学を学んでいました。当時のオーストラリアは不景気で、日本はバブル景気真っ只中で。そこで、景気のいい日本に行けば何かビジネスのヒントになるかもしれない……。そう考え日本へ渡り、スキーインストラクターとして札幌のテイネハイランドに勤務したんです。そこでスキーヤー仲間から「良いスキー場がある」と教えられ、一緒についていったのがニセコだったんですね。

―――そこでニセコに魅せられた理由はなんだったのですか?

当時はモーグルスキー全盛で、ニセコは日本のナショナルチームが合宿する場所でした。そのため、たくさんのスキーヤーのコミュニティがあり、私自身もスキーヤーとして「もっとスキーがうまくなりたい!」と、何回か訪れるうちにニセコのコミュニティと自然の素晴らしさに魅了されたんです。

―――そうなんですね。でもそこで会社まで設立するようになったのはすごいですよね。

冬はニセコでスキーインストラクターとして生活し、夏は3年ほど倶知安の建設会社で働いていました。その頃バブル崩壊を体験して、ローン返済に困るペンションオーナーの話をたびたび聞くようになったんです。冬は最高のスキー場があり多くの人が訪れるのに、夏には波が引いたように人がいなくなる。夏もお客さんが来てくれたら…

そこで「夏の大自然ニセコでしかできない、冒険ができるものを作れば人が来るのでは?」と考えたのがNAC設立のきっかけです。最初は料金が安く、誰でも気軽に体験できるラフティングを尻別(しりべつ)川で始めたのですが、それが地元新聞社に取り上げられ、全国各地から新しいことを求める観光客がたくさん訪れるようになったんです。

―――時期によって外国人の比率も変わってくるようですね。

クリスマスやニューイヤーシーズンはアジアの人が多く、ニューイヤーシーズンを過ぎると1月まで夏休みをとっているオーストラリアの人が多くなります。1月が終わると今度は春節に中国、そしてヨーロッパ、アメリカでしょうか。最近では3~4月に、初めて雪を見たり、スキーをしたりするタイ人やインド人が多くなってきましたね。

―――長くニセコを見続けているフィンドレーさんにとって、外国人観光客が多く訪れる今のニセコはどう見えますか?

僕は昔も今も一スキーヤーなので、日本人だから、海外の人だからと区別せず、仲間であるスキーヤーがたくさん増えているのは、良いことだと思っていますよ(笑)。

―――なるほど。ニセコを訪れる外国人観光客のために、最近取り組んでいることはありますか?

ニセコでのスキー人気は定番化してきています。しかし、これは短期で訪れる旅行客の話。長期滞在の観光客はスキー目当てですが、ずっとスキーをしているわけではないんです。ホテルやコンドミニアムで自宅と変わらないように何もせず過ごしていることもあるんです。

―――まるで住民のようですね。

そうなんです。となったときに、ニセコはスキー以外の娯楽が少ないので、こうした長期滞在者に対してもっと面白いことを提案していきたいですね。

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―――長くニセコを見続けている、フィンドレーさんだからこそできる「面白いこと」がとても楽しみです。

ニセコは海外資本企業がたくさん入ってきており、ビジネスとしてはシビアな町になってきています。ただ、やっぱり私は「倶知安町民のためになること」を一番に考えています。

今のニセコの盛り上がりを上手に使って、どうすれば自分たちの生活がもっとよくなるか。ニセコの一部だけが盛り上がるのではなく、倶知安町全体で幸せになる楽しい町づくりをしていきたいですね。

「倶知安町民のためになるマチづくりをしていきたい」と語ってくれたロス・フィンドレー氏


近年の世界的なニセコブームに浮き足立つことなく、冷静かつ客観的に自分の会社の意義を見つめるアイデアマンのロス・フィンドレー氏。誰よりも倶知安の、人・街全体が幸せになることを考えているニセコ愛が溢れる方でした。

株式会社NAC ■住所:倶知安町字山田179-53 ■電話:0136・23・2093 ■時間:8:00~21:00

半田拓馬

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