北海道ゆるっと鉄道旅~函館本線“八の字”巡り2:本線なのに1日3本!?観光名所の大沼公園へ

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函館本線の函館駅から森駅までの間、八の字を描くような路線の完乗と観光を楽しむ鉄道旅。2回目となる今回は、函館駅から大沼公園駅まで乗車し、大沼国定公園の定番観光スポットと名物スイーツ店を訪れます。函館観光から一歩足を伸ばし、大沼公園観光を楽しむなら絶対外せないところですよ。

大沼公園の大沼湖と小沼湖の間をボートが走り抜け、その真上の鉄橋を特急列車スーパー北斗が駆け抜けます(大沼公園駅~赤井川駅間)


1日3本しか列車が走らない区間がある!?


函館駅に停車中の12:34発森駅行普通列車。通称、「藤城」線と呼ばれている区間を通って大沼駅へと向かいます


大沼公園駅へ向かうべく、函館駅を12:34に発車する普通列車、森駅行に乗車します。函館駅から大沼公園駅までは、特急列車スーパー北斗や普通列車が何本もあるので一般的には行きやすいのですが、今回の鉄道旅では乗車できる列車はこの1本のみ。なぜなら、1日3本の下り普通列車と貨物列車しか通らない区間があるからです。

行先表示の経由地に「藤城」と表示されるのは1日3本の列車だけ


函館駅を出発し、隣の五稜郭駅で道南いさりび鉄道線と分かれると、しばらくは周囲に住宅や畑などが広がる複線電化区間を進みます。函館駅より4つ目の七飯駅から先は単線になるうえ、路線が2つに分かれます。ほとんどの旅客列車は北海道新幹線が発着する新函館北斗駅を経由して大沼駅へと至りますが、今回乗車している列車は新函館北斗駅を経由せず、通称藤城(ふじしろ)線と呼ばれている区間を通って大沼駅へと向かいます。

七飯駅の駅名表示には隣駅が2駅表示。新函館北斗駅経由でも大沼駅に行くことができるのでちょっと不思議な感覚


新函館北斗経由の区間は単線のうえ下り列車は登り勾配が続くため、線路を増やして輸送力を上げるとともに勾配を緩和するため、1966(昭和41)年に下り専用路線として藤城線が建設されました。

以前は下り特急列車のすべてが藤城線経由でしたが、新幹線開業とともに新函館北斗駅を経由するようになったため、藤城線経由の旅客列車は激減。2018年秋現在は、下り貨物列車のほかは早朝と昼、夕方の3本の下り普通列車のみ。さらに3本のうち大沼公園を通るのは昼と夕方の2本。夕方に大沼国定公園で観光を楽しむのは少々難しいので、今回乗車した列車が唯一、藤城線経由で大沼公園駅での観光を楽しめるのです。

七飯駅を出ると藤城線は高架区間となり、眼下に新函館北斗駅へと通じる線路が、遠くに新幹線の高架橋が見えます


七飯駅を出て高架線を通ったあとはしばらく山麓沿いのゆるやかな登り坂を進み、左手眼下に新函館北斗駅などを遠望します。トンネルを越えると左手に大沼国定公園の小沼湖が見え、右手には七飯駅で分かれた路線が少しずつ近づき大沼駅まで並走。大沼駅で両線が合流したのち再び路線が2つに分かれ、鹿部駅経由で森駅に至る路線が右手へ分かれていくと、1分少々で大沼公園駅に到着です。

大沼駅手前はしばらくの間左手車窓から湖畔の風景を楽しめますよ


新函館北斗駅経由と鹿部駅経由の区間は、森駅から函館駅へ戻る際に乗車して楽しみます。まずは大沼国定公園の自然に触れて旅の想い出を作りましょう。

大沼国定公園の観光拠点となる大沼公園駅。朝と夜を除きすべての定期特急列車が停車します


大沼国定公園では湖畔を散策したりボートに乗ったり、思い思いに過ごそう


大沼国定公園は、活火山の駒ヶ岳の裾野に広がる自然公園


大沼湖、小沼湖、ジュンサイ沼の3つの湖沼があり、大小126の小島が浮かんでいます。鉄道旅で訪れやすいのは大沼湖と小沼湖です。

湖の畔を函館本線が通っています(大沼公園駅~赤井川駅間)


大沼公園駅で列車を降り駅舎を出ると、駅周辺には「大沼国際交流プラザ」という観光案内所やレンタサイクル店、土産物店などがあります。大沼国際交流プラザでは荷物を預けることもできるので(有料)、大きな荷物はここで預けるのがベスト。少し遠くまで行くのであればレンタサイクル店で自転車を借り、近隣の散策や湖上のボートなどを楽しむなら、歩いて5分程度で行くことができる大沼公園広場へ行ってみましょう。

遊覧船や手こぎボートなどが浮かぶ大沼湖


ここの観光の定番は、4月中旬~12月中旬に楽しめる湖上遊覧。遊覧船やモーターボートに乗って大沼湖と小沼湖を巡ることができるほか、手こぎボートやペダルボート(足こぎボート)を利用して、自分のペースでのんびり湖上観光を楽しめます。いっぽう真冬は氷結した湖の上でのワカサギ釣りやスノーモービルの運転体験などを楽しめます。

また、大沼湖と小沼湖の湖畔には散策路があり、のんびり歩いて湖を見て回ることができます。一部の小島には橋がかかり、歩いて島めぐりをすることも可能。船ではなく歩いて島へ上陸するというのも一風変わった感覚で面白いですよ。

大小さまざまな大きさ・形の橋があり、散策路がある島へは自由に行き来することできます


大沼国定公園の自然について楽しく学びながら散策したいという人は、大沼国際交流プラザで実施しているネイチャーガイドが案内する自然散策ツアーがおすすめ。地元ガイドがとっておきの情報や魅力を紹介してくれます。新たな気づきや発見の連続となること間違いありません。

「沼の家」の「大沼だんご」は大沼公園の定番中の定番土産!


大沼だんごは「あんとしょうゆ」(左)と「ごまとしょうゆ」(右)の2種類。双方小折(390円)と大折(650円)があります


大沼国定公園のお土産の定番は、大沼公園駅前にある「沼の家」で販売している「大沼だんご」。沼の家は1905(明治38)年創業の老舗店です。1903(明治36)年に函館鉄道(現在の函館本線)が開通して軍川駅(現在の大沼駅)ができたことに伴い、創業者の堀口亀吉氏が観光客の増加を見越し観光地の名物を作ろうと始めたのが大沼だんご。それ以来変わらぬ製法と伝統の味を守り続けています。以前は駅での立ち売りもしていましたが、現在は店頭と特急列車スーパー北斗の一部下り列車内にて販売。なお、ごまとしょうゆは店頭のみの限定販売です。

あんの中にツルンとした小ぶりなだんごがいっぱい。大小さまざまな島が浮かぶ大沼湖と小沼湖をイメージしたそうです


毎朝自家製の新粉を蒸して作った、ツルンとした歯ごたえが特徴の大沼だんご。賞味期限は買ったその日まで。時間が経つと、だんごが硬くなってしまううえ、味が微妙に変わってしまうからだそうです。購入したら列車内やホテルで食べるのもよいですし、店内や店頭のベンチ、公園内の芝生の上で食べるのもよし。作りたての味、100年以上続く伝統の味を堪能しましょう。

購入した大沼だんごを食べる人で賑わう店先


大沼公園駅の近隣には宿泊施設がいくつかあります。ゆっくり歩いて見て回ったり自転車でサイクリングをしたり、じっくりと楽しみたい人は宿泊して過ごしてみるのがおすすめ!

次回、大沼公園駅から森駅まで行き、森駅名物の「いかめし」を堪能したのち、鹿部駅経由で新函館北斗駅まで進みます。

沼の家 ■住所:七飯町大沼145 ■電話:0138・67・2104 ■営業時間:8:00〜18:00(売り切れ次第閉店) ■定休日:なし

※駅や列車、お店の紹介内容は2018年9月現在の情報です。

川島信広

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