影山貴彦のテレビのホンネ。「食」「お笑い」だけに非ず! 関西は「音楽」も熱い!
関西ウォーカー

「+music」(プラスミュージック)という番組をご存じだろうか? 昨年4月スタートの音楽番組だ。もともと「MBS SONG TOWN」というタイトルで、15年の春から丸3年にわたって、関西地区で木曜の深夜に放送されていたが、レギュラーの三戸なつめ、⻆ 淳一はそのまま出演継続で内容をリニューアル。放送枠も月曜の深夜に移動した。MBSが、テレビ・ラジオやイベント展開させている音楽系のプロジェクトの中で、「+music」は旗印的な役割を担っているようだ。
30分ほどの番組ながら、トークと音楽のバランスが良い。関西らしいユニークな企画も楽しめる。丁寧な番組作りを続け、長寿番組に育って欲しいと願う。 CDが売れないと言われる音楽業界だが、実はライブの観客動員数は年々増えているという。関西出身の歌手は今も昔も数多く、音楽シーンは熱い。でありながら、受け皿となる関西発の音楽番組は決して多いとは言えない。寂しく感じている。
在阪局が制作するドラマの本数が、ひと昔に比べ減少したことに気づいている人もいるだろう。ただ音楽番組に関しては、その傾向がより顕著だ。関西にいる番組の作り手たちの中には、音楽番組に携わったことのない人間が一定数いる。彼らに多様な番組制作を経験させることで、素晴らしい作品が生まれる可能性は増す。
「地方の時代」と叫ばれながら、「東京一極集中」の流れを食い止められない事実は、エンタの世界にも当てはまるが、音楽業界も例外ではない。ローカル・全国ネットを問わず、音楽番組を関西から発信させることは、関西の音楽シーンを盛り上げる一助になるはずだ。東京に出ていかなくとも、歌手たちが音楽活動を十二分にしやすくなる環境を整えることが必要な時ではないか。関西の魅力は、「食」や「お笑い」に留まらないはずだ。

【著者プロフィール】影山貴彦(かげやまたかひこ)同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科教授。元毎日放送プロデューサー(「MBSヤングタウン」など)。早稲田大学政経学部卒、関西学院大学大学院文学修士。「カンテレ通信」コメンテーター、ABCラジオ番組審議会委員長、上方漫才大賞審査員、GAORA番組審議委員、日本笑い学会理事。著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)など。
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