【平成振り返り−2004年】アテネ五輪で金メダル続々!『セカチュー』『電車男』の純愛物語が大ヒット
東京ウォーカー(全国版)
平成を振り返る連載15回目は、アテネ五輪に沸いた平成16年(2004年)。谷亮子、伊調馨、北島康介ら16個の金メダル獲得に大フィーバー。イチローもメジャーリーグで偉業を達成。日本野球界は、合併、新規参入、球団を売却など、大きな変革の年となる。丸の内・日本橋に新名所が誕生し、フードテーマパークやペットパークが大賑わい。小説『世界の中心で、愛をさけぶ』がベストセラーに。映画化・ドラマ化され“セカチュー”ブームが巻き起こった、そんな平成16年を振り返る。
アテネ五輪がメダルラッシュで「チョー気持ちいい」!イチローは偉業達成も…日本野球界は大変革
夏季オリンピック・アテネ大会が開催された平成16年。シドニー大会の金メダリスト・谷亮子(旧姓:田村)や野村忠宏をはじめ、柔道で8つの金メダルを獲得。レスリングでは、この後、前人未到の五輪金メダル4連覇を果たす伊調馨、霊長類最強女子の異名を持つ吉田沙保里。シドニー大会の高橋尚子に続けと、女子マラソンの野口みずき。レース後の「チョー気持ちいい」の言葉が、この年の流行語大賞・年間大賞を受賞した水泳の北島康介らが金メダルを獲得。金メダル16、銀メダル9、銅メダル12、合計37のメダルラッシュに、日本中が大興奮。
メジャーリーグで、イチローが84年ぶりにシーズン最多安打記録を更新したこの年、日本野球界が大混乱。大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブが、合併を前提に話し合うことを発表。物議をかもしたが、結局合併し「オリックス・バファローズ」に。ライブドアと楽天で新規参入が争われ「東北楽天イーグルス」が誕生。またダイエーが球団をソフトバンクに売却するなど、日本野球界にとって変革の年となった。
「平成」の日本は、戦争がない平和な時代だったが、地震、台風、大雨、噴火など自然災害が多発。この年は、新潟中越地震が発生し、山崩れや家屋の倒壊、新幹線の脱線など、多大な被害を出した。この新潟中越地震は、平成7年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災以来9年ぶり、観測史上2回目の最大震度7を記録。震災後の身体的・精神的被害も問題視されるようになった。
丸の内、日本橋がトレンドに。お取り寄せグルメ、フードパーク、ペットパークに熱い視線が送られる
オフィス街・丸の内に新名所がまたも誕生。洗練された大人の街を演出する「丸の内オアゾ」「丸の内 MY PLAZA」がオープン。最先端のグルメやファッションの激戦区となる。また日本橋には日本初&新業態の店舗が並ぶ「COREDO日本橋」がオープン。最新のトレンドを発信する複合施設の誕生が、街を活性化させた。
どこにいても全国各地の名産が食べられる「お取り寄せグルメ」が大人気に。日本列島を縦断する「ウォーカー」各誌が総力をあげリサーチし、売り切れ必死のグルメを紹介した特集が評判を呼ぶ。また、前年オープンした「自由が丘スイーツフォレスト」をはじめ、フードテーマパーク人気が最高潮。
池袋の「ねこぶくろ」をはじめ、二子玉川の「いぬたま」・「ねこたま」(ともに平成18年:2006年閉園)など、ペットパークも大盛況。家の都合でペットが飼えない犬猫好きの憩いの場として、また動物たちに癒やされる場所として、連日賑わいを見せる。
そんな平成16年の『東京ウォーカー』は、この年の実写映画No.1となった「世界の中心で、愛をさけぶ」や北川悦吏子脚本の青春ドラマ「オレンジレンジ」の好演で脚光を浴びた柴咲コウ、このドラマの主題歌「sign」が大ヒットし、3度目のレコード大賞を受賞したMr.Childrenの桜井和寿、元「Can Cam」モデルで好感度抜群のCM女王となった長谷川京子らが表紙を彩った。
『セカチュー』『電車男』が大ヒット!新紙幣がデビューし、『冬ソナ』で韓流ブームが起こる
2004年のブームや流行語を見てみよう。
【世界の中心で、愛をさけぶ】2001年に刊行された恋愛小説で、日本国内小説の最多発行部数を記録。発売からじわりじわりと人気を増し、2002年に柴咲コウが、雑誌『ダ・ヴィンチ』で「泣きながら一気に読みました」とコメント。それが書籍の帯に採用され、人気に拍車がかかる。300万部突破のベストセラーになり、タイトルを略した「セカチュー」が流行語大賞・トップテン入り。
【野口英世の千円札など新紙幣発行】昭和59年(1984年)以来、20年ぶりに新紙幣がデビュー。一万円のお札の「顔」は変わらず「福沢諭吉」だったが、五千円札は「新渡戸稲造」から「樋口一葉」へ、千円札は「夏目漱石」から「野口英世」へ。世界トップクラスと言われている偽装防止技術が、さらに進化した。
【電車男】電車の中で酔っ払いに絡まれた女性を助けた「電車男」と、助けられた「エルメス」との恋愛小説。インターネットの電子掲示板への書き込みを元に生まれた。単行本化されベストセラーとなり、漫画・映画・テレビドラマ・舞台にもなる。ネット発の純愛ストーリーとして若者を中心に人気を博した。
【冬のソナタ】2002年製作の韓国ドラマが日本で放送されると、瞬く間に大ヒット。主人公・チュンサンを演じたペ・ヨンジュンが「ヨン様」と呼ばれ、その微笑みに心打たれた女性たちが夢中になった。韓流ブームの火付け役。
【mixi、GREEなどSNSブーム】日本のSNS(Social Networking Service)は、「mixi」と「GREE」が業界を引っ張る。当初の「mixi」は、完全招待制の閉ざされた空間で人と人とのつながりを重視し、「GREE」はネット系企業やベンチャー企業に勤める会員が多くビジネス色が強かった。今ではTwitter、Facebook、Instagram、LINEなどを日本中の多くの人が利用し、SNSはブームではなく日常と化している。
この年オープンした施設
「東京国際空港国内線第2旅客ターミナルビル」「千住ミルディス・ユナイテッド・シネマとしまえん」「新江ノ島水族館」「ヨコハマおもしろ水族館」「横浜BLIT」「JR東海品川ビル」「コクーンシティ」など。
次回は平成17年(2005年)を振り返る。
綱島深雪
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