韓国製の加熱式たばこ「lil HYBRID」を、「IQOS」のフィリップ モリスがあえて発売する理由とは?

2020年11月6日 21:04更新

東京ウォーカー(全国版)

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「IQOS」を筆頭に各たばこメーカーが力を注ぐ加熱式たばこに新顔が加わった。10月26日から福岡県と宮城県の2県で販売がスタートした「lil HYBRID(リル ハイブリッド)」だ。フィリップ モリス ジャパンから販売される同品は、韓国のたばこメーカーのKT&G製と、言わば競合他社の商品。国内ではIQOSが加熱式たばこ市場をけん引する中、なぜフィリップ モリス ジャパンから発売に至ったのか。また、既存の加熱式たばこと何が違うのか。フィリップ モリス ジャパンでコミュニケーションズ マネージャーを務める長谷川靖氏と、ポートフォリオ・マネージャーの村上彰啓氏に気になるポイントを聞いた。

デバイスは4色展開


インタビューの前に、lil HYBRIDについての概要を説明する。同製品は、フィリップ モリス インターナショナルと韓国の大手たばこメーカー・KT&Gとの合意に伴い販売を開始したKT&G製の煙の出ない加熱式たばこ。韓国以外での展開は日本が初となる。「lil HYBRID」デバイス(プリズムホワイト、マットブラック、メタリックブロンズ、コバルトブルーの4色展開、税込各6980円)、リキッド カートリッジ(60円)、専用のたばこスティック「MIIX」3銘柄(レギュラー、アイス、ミックス、税込各500円を、宮城・福岡両県のIQOSストア、ヤマダ電機の一部店舗内のIQOSショップで販売。また11月9日からは両県のドン・キホーテ一部店舗のIQOSコーナーやコンビニエンスストアを含む一部たばこ取り扱い店舗、営業員などを通して販売を開始するとしている。

たばこスティックとリキッドが融合した「lil HYBRID」

MIIXたばこスティック レギュラーはスムースな吸いごたえが特長

――10月26日から日本販売をスタートしたlil HYBRIDですが、特徴はどんなところにあるのでしょうか。
村上:lil HYBRIDはたばこスティックとリキッドを組み合わせたまったく新しいテクノロジーを採用しています。たばこスティックの吸いごたえと、リキッドによるベイパーが新たな満足感を提供します。

本体に装着するリキッドカードリッジは1本でスティック20本分使える想定


操作性も考慮され、たばこスティックを差し込むと自動的に加熱がスタートするオートスタート機能や、使える回数やリキッド残量などを表示するステータスディスプレイを搭載しています。また、定期的なお手入れが不要で、クリーニングはトラブルシューティング時のみ。フル充電でおよそ20本分、一度に3本まで連続使用可能な充電仕様も主な特徴となります。

デバイスには充電用のACアダプタとUSB-Cケーブル、クリーニング用のピンとスティックが付属


またlil HYBRIDは紙巻たばこに比べ有害性成分も低減されていますので、成人喫煙者の中で既存の加熱式たばこに満足していただけないなら、よりよい選択肢としてぜひ一度お試しいただきたい製品となっております。

――使い方は既存の加熱式たばこと異なるのでしょうか。
村上:デバイスの使い方は非常にシンプルで、充電済みのデバイスにたばこスティックを差し込むと自動で電源オンとなり、起動したことはバイブレーションで通知します。その後、約25秒間の加熱を行い、加熱終了10秒前からカウントダウンを開始。カウントダウン後に使用可能となります。
一度の加熱では、4分20秒または14回のパフ(吸い込み)いずれか早く到達するまでお楽しみいただけます。この際、デバイスのディスプレイにはパフの残り回数が表示されます。使用終了後は、スティックを引き抜いて完了という流れになります。

IQOSと異なる加熱形式がポイント、モニター搭載など新機能も

――国内の加熱式たばこでは御社の「IQOS」シリーズが代表的存在だと思います。どういった部分で差別化を図るのでしょうか。

村上:IQOSは加熱ブレードで内側からたばこ葉をムラなく直接過熱する方式なのに対し、lil HYBRIDはたばこ葉とともにリキッドカートリッジを使用しており、加熱方式がまったく異なります。ですから直接の比較は難しいのですが、IQOSとはまた違った味わいの感覚になるかと思います。また、lil HYBRIDはリキッドを加えることによってベイパーの量感が増すことで満足感をプラスするという革新的な技術を採用しており、これは加熱式たばこ全体を見回しても唯一無二の特徴になっているかと思います。

――定常的なクリーニング不要というのも使用する側にとっては大きなポイントですね。
村上:IQOSにはたばこ本来の満足感に近い味わいということで支持されていますが、一方でクリーニングがやや面倒といったお声をいただいているのも事実です。
lil HYBRIDはたばこ葉が外に直接露出しないため、トラブル時以外のクリーニングが不要となります。ここもIQOSとは異なる使用感になってくるかと思います。
また、リキッド残量が少なくなりますとデバイスの画面に表示されますので、デバイス先端のキャップを外し、新しいカートリッジを装着しキャップを戻すだけと、リキッドの交換も簡単となっています。

――既存の加熱式たばこは「後何回使えるのか」が分かりにくいところもありましたが、lil HYBRIDではディスプレイがそれを補う形なのですね。
村上:エラー通知はかなり細かくディスプレイに表示されますし、通常のステータスも、充電の状態やカートリッジの様子、ベイピングや加熱の状態など、かなり感覚的にお分かりいただけるようになっているかと思います。この機能は消費者調査でも好評で、いわばかゆいところに手が届くような仕様です。

lil HYBRIDデバイス側面のモニターには加熱状態や残りパフ(吸い込み)数などの情報が表示される


――消費者調査ではこの他ユーザーから評価された点はあるのでしょうか。
村上:充電部分の仕様は好意的な意見をいただいています。3回連続で使用できること、1回100分のフル充電でリキッド1本分まで使える点はもちろん、実は30分で約50%まで急速充電されるようになっており、仮に充電切れでも30分待てばスティック10本程度は使用できるようになるというのも受けがよい点となっています。

――ユーザー目線ではランニングコストの部分も気になるところですが。
長谷川:コスト感は吸い方により異なる部分ですので一概には言えませんが、平均的な使い方であれば1本のリキッドで14回のパフを吸えるスティックを1箱20本分というのが目安ですので、リルハイブリッド専用たばこスティックの500円とリキッドカートリッジ60円で560円が1箱分ということになります。これが高いか安いかという点については、むしろ今回の2県販売の中でぜひお客様の反応を見ていきたい点の1つとなります。

lil HYBRIDはIQOSに並ぶ新たな加熱式たばこの選択肢に

lil HYBRIDデバイス

――宮城県と福岡県の2県のみでの販売となった理由はどこにあるのでしょうか。
長谷川:lil HYBRIDは新しい形式の加熱式たばこになりますので、これがどう受け入れられるかを確認していく必要があります。その中で、宮城県と福岡県は加熱式たばこが比較的受け入れられやすいマーケットとなっており、こうしたことから他社の加熱式たばこ製品も含めていち早く展開される土地です。この2県の反応を確かめた上でlil HYBRIDの今後について判断していきます。

――現状はオンライン販売などを行う予定はないのでしょうか。
長谷川:前提として、オンラインでの販売は全国に流通・販売できる体制をしっかりと整える必要がありますので、まずは前述の通り、2県限定で反応をつぶさに見ていきたいと考えています。

――今年は新型コロナウイルス感染症をはじめ、4月の健康増進法改正や10月のたばこ値上がりなど、喫煙環境が大きく変化しています。その中で加熱式たばこの動向はどうなっているのでしょうか。
長谷川:改正健康増進法の施行と新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令時期とが重なったこともあり、飲食店などに足を運んでいない、また加熱式たばこ専用室などをまだまだ体験されていない方も多いのでは、というのが推測ベースではありますがございます。

こうした環境の変化の影響を現状分析するのは難しいのですが、弊社が毎四半期ごとに発表しているデータを見ると、IQOSのシェアは4月から6月末、7月から9月末いずれのデータを見ても上昇傾向にあります。

また、弊社ではドトールコーヒーショップ・プロント・ルノアール・カフェ・ド・クリエといった大手カフェチェーンの喫煙環境面の整備を協力していまして、一部のカフェチェーンに話を聞いたところ「法改正後も分煙という形で飲食を伴って加熱式たばこが楽しめる」と好意的な声をおうかがいしています。

――少なくともIQOSにとっては大きな向かい風とはなっていないわけですね。そうした中、あえて他社の加熱式たばこであるlil HYBRIDを投入することにしたのでしょうか。

長谷川:弊社のビジョンは「煙のない社会」の実現で、成人喫煙者のよりよい選択肢を提供するため、加熱式たばこのパイオニアとして活動しています。先ほどの通り、IQOSのシェアは上昇傾向にありますが、一方で紙巻たばこを吸っている方はまだまだ多いというのが現状です。

今回、KT&G社とグローバルな協働に関する合意にともない、製品の販売を開始した理由は、こうした我々のビジョンの実現を最優先としているからです。煙が出ない商品の選択肢を増やすことによって、たとえばIQOSには切り替えなかった方の中からも「今回はlil HYBRIDを試してみよう」といった選択も増えればという期待をしています。

2021年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、今後も喫煙を取り巻く環境が大きく変わることが予想される。その中でlil HYBRIDがIQOSに並ぶ存在感を発揮できるか注目だ。

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