会津さざえ堂の楽しみ方ガイド!“ぐるぐる散策”のコツや、おすすめのお土産を紹介【コロナ対策情報付き】

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

会津さざえ堂の見どころからお土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

独特なフォルムで建てられている会津さざえ堂


会津さざえ堂ってどんなところ?

幕末の戊辰戦争における、白虎隊の悲劇のエピソードで有名な飯盛山にある会津さざえ堂。堂内をぐるぐる回りながら上り、帰りも同じように下る、まるでさざえの貝殻のような仕組みの施設だ。その構造は、上りと下りが別々の通路になっている一方通行で、参拝者がすれ違うことなく参拝できるという不思議な特徴を持っている。

この構想と似た設計が、レオナルド・ダ・ヴィンチ設計と伝わるフランスのシャンボール城の階段にもあり、そのアイディアが日本に伝来したという説もある。そんな会津さざえ堂は、1796年(寛政8年)に建立され、正式名称を円通三匝堂(えんつうさんそうどう)という。

【写真】入り口に鎮座する郁堂和尚の像


建てられた当時は正宗寺という寺院があり、その住職だった郁堂が考案したとのこと。高さ16.5メートル、六角三層のお堂で、世界唯一の二重らせん構造の木造建築として大変貴重な存在。これが認められ、1996年(平成8年)に国の重要文化財に指定された。

千社札が張り巡らされた六角形の天井


らせんのスロープに沿って壁面に厨子(ずし)が設置されているが、かつてはこの中に高さ70センチほどの西国三十三観音像が1体ずつ安置されていた。それにより、お堂を一周することで西国三十三所巡礼ができるとされていたという。現在と違い、会津から西に行くことは容易ではなかったので、会津さざえ堂を一周することで巡礼できるというのは画期的なアイデアであり、江戸時代の庶民にとってはありがたい存在だったはず。三匝堂の“匝”という文字には“めぐる(匝る)”という意味があり、当時の人々は三回めぐって観音様をお参りしていたという。明治になり、神仏分離令によって三十三観音像は取り外され、現在は会津藩の道徳の教科書だった「皇朝二十四孝」の絵額が掲げられている。

【見どころ1】一度通ったら二度と通らない、「二重らせん構造」がすごい!

ぐるぐる回転している、内部の螺旋状スロープ

「上りも下りも階段がない。一度通った所は二度と通らない」という看板が入り口脇に掲げられている。入り口からスロープをらせん状に右回りで上り、頂上の太鼓橋を越えると、今度は左回りの下りスロープになっていてそのまま背面出口に通じる。内部の仕組みは、往路の天井が帰路の床になっているという、考えると頭の中が混乱しそうなほど複雑。それが二重らせん構造の最大の特徴だ。

混雑することなくスムーズに拝観できるという斬新な仕組みは、ここだけでしか体験できない。ギシギシと軋む床を一歩ずつ進み、その不思議な構造を体感してみよう。

【見どころ2】会津さざえ堂の中には、さまざまな仕掛けが!

かつて観音像が安置されていた厨子と賽銭箱の口

三十三観音像があった場所には賽銭受(さいせんうけ)が33カ所設置されていた。これらの賽銭受は外からはわからないが、実は中で繋がっていて、賽銭や米を入れるとダストシュートのように木の筒を伝わり下の賽銭箱に集まるようになっている。わざわざ33カ所回らなくても、賽銭がスムーズに回収することができるという画期的なアイデアだ。

さらに、途中には上りと下りのスロープが繋がっている場所もある。参拝し忘れがあっても、ここを通ることで、見逃した観音像にもう一度行くことができたという。

入り口には、建物に巻きついた龍の彫刻が装飾されている


扁額(へんがく)の「福聚海」の文字は、観世音菩薩の功徳が海のように広大であることを指す仏語「福聚海無量」が由来となっている。唐破風がある入り口の梁や柱に、龍の彫刻が絡みついた装飾があしらわれ、鎮座する住職・郁堂の木像が拝観者を出迎えてくれる。そこら中に張り巡らされた千社札が、昔から多くの人が訪れていた証となっている。

【回り方】会津さざえ堂だけでなく、白虎隊にゆかりの地も巡ろう

会津さざえ堂のほかにも、飯盛山には見どころがたくさんある。そこで、回り方を山主飯盛本店の飯盛さんに聞いてみた。

「飯盛山を訪れたなら、まずは白虎隊士たちのお墓参りをしましょう。そのあと、厳島神社と宇賀神堂を参拝し、それから会津さざえ堂の拝観を。次に戸ノ口堰洞門(とのぐちせきどうもん)、白虎隊記念館を訪れ、最後に徒歩で4〜5分離れた場所にある、藩主の休憩所だった旧滝沢本陣を巡るのがおすすめです」

所要時間は約120分。白虎隊の墓所が国の登録記念物、会津さざえ堂が国の重要文化財、そして旧滝沢本陣も国の重要文化財に指定されており、飯盛山近辺で3つの重要な史跡が楽しめる。飯盛山入り口の階段横にある地図を見ながら、自分なりの攻略法を見つけてみるのもあり。

【イベント】ライトアップが美しい「8.23TAMASHIZUME鎮魂祭」は必見!

8.23TAMASHIZUME鎮魂祭でライトアップされるさざえ堂

飯盛山では、毎年4月24日と9月24日に白虎隊墓前祭が開催されている。白虎隊の霊を慰めるため、飯盛山の白虎隊士墓前で、唄に合わせて袴・はち巻き姿の会津の高校生剣士たちによる「白虎隊剣舞」を奉納。辺り一帯が凛とした空気に包まれる。特に9月の墓前祭は、同時に市内で会津まつりが開催され、会津藩公行列なども行われているので、会津全体が盛り上がる。

また、白虎隊士が自刃した旧暦の8月23日にちなみ、8月23日と24日にさざえ堂広場で、「8.23TAMASHIZUME鎮魂祭」が開催されている。こちらは、日没後に会津さざえ堂をライトアップし、池にLED鎮魂玉を浮かべて、白虎隊士や戊辰戦争で亡くなった方々の御霊を鎮めるという幻想的なイベント。ステージでは和楽器のライブ演奏なども行われている。

【御朱印・ショッピング】実測図が密かな話題に!

御朱印は宇賀神堂のもの。中央に白虎隊十九士霊神と押印されている

御朱印は、会津さざえ堂があった正宗寺はすでに廃寺となっているため、飯盛山の参拝記念として“白虎隊十九士霊神”と押印された宇賀神堂のものをもらおう。宇賀神堂は、飯盛山の会津さざえ堂に隣接したお堂で、会津藩三代藩主松平正容が弁財天像を神像として建立。内部には1890年(明治23年)に白虎隊19士の霊像が安置されている。

学術調査で測量された実測図のレプリカ。平面図や断面図などが詳細に記されている


お土産は、飯盛本店(営業時間9:00〜16:00)にオリジナルグッズが揃っている。「ポストカード」(税抜200円)や、カード型の「お守り」(税抜300円)が人気。中でもユニークなのが、1965年(昭和40年)の学術調査の際に測量された実測図の、「会津さざえ堂学術調査実測図6枚綴り解説付き」(税抜1200円)だ。「特に、建築の愛好家や建築家などに人気ですよ」と飯盛さんがいうのも頷ける。

【基本情報・アクセス】会津さざえ堂の基礎情報をチェック!

堂内の窓から外の景色を見ることができる

会津さざえ堂への行き方は、JR会津若松駅からタクシーで約10分。JR会津若松駅から会津バス鶴ヶ城・飯盛山回り、またはまちなか周遊バスハイカラさん・あかべぇに乗車し飯盛山下で下車、徒歩5分。

会津さざえ堂の拝観時間は、8時15分から日没(12月〜3月は9時〜16時)までで、年中無休だ。 拝観料は、大人400円、大学・高校生300円、小・中学生200円となっている。

【混雑情報】混雑を回避する“二重らせん構造”

GWや年末年始、イベント開催時に混雑することはあるが、そんなときこそ会津さざえ堂の二重らせん構造が威力を発揮する。しかもこのご時世、密を避けるのにも最適な構造となっていて、安心して拝観することができるのも魅力。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・手指のアルコール消毒、マスクの着用をお願いしています。
・堂内を参拝する際は、間隔をあけて進んでください。
・スタッフは手袋・マスクを着用のうえ対応しています。

取材・文=北村康行

<施設情報>
住所:福島県会津若松市一箕町八幡滝沢155
時間:8:15〜日没(12月〜3月は9:00〜16:00)※現在新型コロナウイルス感染防止対策のため8:15~17:00にて営業
休み:無休
料金:大人400円、大学・高校生300円、小・中学生200円
アクセス:【電車】JR会津若松駅からタクシーで約10分。JR会津若松駅から会津バス鶴ヶ城・飯盛山回り、またはまちなか周遊バスハイカラさん・あかべぇに乗車し飯盛山下で下車、徒歩5分
駐車場:なし

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年12月時点の情報です。

この記事で紹介しているスポット

この記事の画像一覧(全10枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る