新一万円札の顔「渋沢栄一」の原点、レトロな深谷の街をぶらり散策!

東京ウォーカー(全国版)

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JR東京駅から電車で約90分。埼玉県北部に位置し、都心から気軽にアクセスできる深谷市は、宿場町の趣を残すレトロな街並みが楽しめる。ねぎの生産量が全国でも上位というだけあって、深谷ねぎを使用したご当地グルメがたくさんあるのも魅力のひとつだ。2021年の大河ドラマの舞台にもなっている深谷市を、モデルのダンカン・レミさんと佐野由奈さんが散策しながらレポート!

深谷が生んだ偉人・渋沢栄一が出迎えてくれる駅前からスタート!

東京駅の丸の内駅舎を模してデザインされたJR深谷駅の赤レンガの駅舎

散策のスタート地点はJR深谷駅。赤レンガの駅舎は東京駅の丸の内駅舎とそっくり!実は、大正時代に完成した当時の丸の内駅舎には、深谷にあった日本煉瓦製造で製造された赤レンガが使われていたそう。この史実にちなんで1996年(平成8年)の改築時に東京駅を模してデザインされ、関東の駅百選にも選出されているという。

駅前の公園内には、渋沢栄一の銅像が鎮座。駅前のシンボルは、夜にライトアップされる撮影=島本絵梨佳


そして、駅北口のロータリーにある青淵広場には、日本煉瓦製造の設立にも携わった渋沢栄一の像が鎮座する。

1840年(天保11年)に現在の深谷市で生まれ、23歳までこの地で過ごした渋沢栄一は、一橋家に仕官し、将軍徳川慶喜の弟・昭武とともに、フランスのパリ万博に随行。帰国後に大蔵省の一員となった。その後、富岡製糸場や第一国立銀行など、生涯に約500もの企業に関わったことから、“近代日本経済の父”と呼ばれる、深谷を代表する偉人だ。

そんな渋沢栄一の功績を称え作られた像は市民から愛され続け、駅舎とともに駅前のシンボルとして、訪れる人たちを出迎えている。

酒蔵跡を利用したノスタルジックな空間は写真映えスポット

酒蔵をリノベーションした映画館。舞台挨拶が行われることも撮影=島本絵梨佳

駅から北西に徒歩10分。2人は街の映画館と古書店、地元FMラジオ放送局など、店舗や施設が集まる七ツ梅酒造跡へ。

七ツ梅酒造は、1694年(元禄7年)に創業した県内屈指の蔵元だったが、惜しまれつつも2004年(平成16年)に廃業。七ツ梅酒造の銘柄「七ツ梅」は、江戸時代には「酒は剣菱、男山、七ツ梅」と称され、幕府大奥の御膳酒としても愛飲された三大銘酒のひとつだった。そんな300年以上続いた歴史的・文化的な跡地を保存するため、地元の有志たちが集結。母屋や店蔵、精米蔵などの建物を改装し、観光スポットとして復活した。ニョキッとそびえるレンガ造りの煙突がシンボルのノスタルジックな空間は、映画やドラマなどのロケ地としてもたびたび利用され、話題のスポットとして脚光を浴びている。

「好きな映画がゆっくり観られるので、小さな映画館もいいね」と2人撮影=島本絵梨佳

深谷シネマは、全国で唯一の、酒蔵を改装したミニシアター。市民たちが中心となって誕生した、ほっこり温もりがある街の映画館だ。ひとつのスクリーンで1日4、5作を週替わりで上映。毎月のアンケートやリクエストで上映作品が決められているのも特徴だ。気になる作品があったら投票してみよう!見逃してしまった作品や、もう一度観たい名作などに巡り合えるかも。

深谷シネマ
住所:埼玉県深谷市深谷町9-12
営業時間:10:00〜20:00
電話:048-551-4592
休み:火曜

「あ、この本懐かしい!」と、昔読んだ本と再会したレナさん撮影=島本絵梨佳

須方書店は、明治・大正時代に出版された古書から、最近の本や雑誌などが所狭しと並ぶ古書店。時代劇に出てきそうな紐閉じの本も、手にとって眺めることができる。店舗は、旧七ツ梅酒造の歴史的建造物のひとつである釜屋前室をそのまま利用しているので、建築も同時に楽しめる。古書や建物の話を通して、店主とコミュニケーションできるのも、ここならではの魅力だ。

須方書店
住所:埼玉県深谷市深谷町9-12
営業時間:月・水・金曜 13:00〜18:00、木・土・日曜 11:00〜18:00
電話:080-3121-1851
休み:火曜

老舗酒蔵でおいしい日本酒ができるまでを見学&試飲体験も!

蔵の中に発酵中のもろみを貯蔵する、大きなタンクがいくつも並ぶ撮影=島本絵梨佳

深谷赤レンガを使用した重厚感ある煙突がシンボル。戦争中に米軍の攻撃で受けた、生々しい傷跡が残る撮影=島本絵梨佳

七ツ梅酒造跡を出発して、旧中山道をテクテク徒歩で西へ6分。1863年(文久3年)に埼玉県小川町で創業し、1900年(明治33年)に深谷の地へと移ってきた滝澤酒造へ。

麹、蒸米、水を混ぜて発酵させる酒母。プツプツ音を立てながら発酵し、少しずつアルコールが精製される。徐々に米の匂いから酒の匂いに変わっていくそう撮影=島本絵梨佳

渋沢栄一の雅号がネーミングの由来になっている「純米吟醸 青淵郷」(720ミリリットル・1430円/1.8リットル・2937円)。リンゴのような爽やかな香りと、すっきりした味わいが特徴撮影=島本絵梨佳

主力銘柄の菊泉は、大吟醸、吟醸・純米、本醸造など数種類がラインナップ撮影=島本絵梨佳

伝統的な箱麹法による麹造りと、硬水である荒川水系の伏流水を使い、地域の風土を活かした酒造りが特徴。昔ながらの道具を使い、手造りによる蔵人たちの技が代々受け継がれている。

滝澤酒造のメインブランドは、淡麗ですっきりとした味わいの菊泉。その製造過程をもっと知ってもらうために、蔵見学を無料で実施している。希望日の1週間前までに電話で予約すると、杜氏や蔵人から酒造りの解説などの話を聞きながら、シンボルのレンガ造りの煙突に加え、タンクが並ぶ本蔵などの普段は見ることができない施設の見学ができる。さらに、最後に出来たての日本酒が味わえる試飲も!貴重な体験は見逃せない。

滝澤酒造
住所:埼玉県深谷市田所町9-20
営業時間:8:00〜18:00
電話:048-571-0267
休み:季節により異なる
※蔵見学は1週間前に要予約(5名様から)

「レトロでかわいいスポットがいっぱいだったね!」とレミさん。由奈さんも「思わずいっぱい写真を撮っちゃった!」と満足げ。どのスポットも気に入った様子。

次の記事では、深谷ならではのご当地グルメを中心に紹介するので、こちらもお見逃しなく!【ウォーカープラス/PR】

■定番同士の組み合わせが絶妙!深谷の食材を使った新名物グルメ「カレー焼きそば」を堪能

■大河ドラマの主人公・渋沢栄一をもっと知ろう!ゆかりの地で歴史巡りを楽しむ旅

取材・文=北村康行
撮影=島本絵梨佳

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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