日本バスケ界のレジェンド、桜木ジェイアールの引退セレモニー。「今日は特別なことではない」と話した理由とは?

東海ウォーカー

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ウィングアリーナ刈谷(愛知県刈谷市)で3月28日、シーホース三河の選手だった桜木ジェイアールの引退セレモニーが行われた。大雨に見舞われ、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて試合が中止になったにも関わらず、約1000人の来場者が訪れ、桜木ジェイアールの引退を見送った。

日本バスケ史に残る名プレーヤー、桜木ジェイアール


キャリア通算1万991得点!日本のバスケ史に残るプレーヤー

まずは、桜木ジェイアールがどれほど偉大で、日本のバスケットボール界に功績を残した選手だったのか伝えておきたい。2001年に来日した元NBAプレーヤーは、19年間もシーホース三河一筋でプレー。来日当初から高い得点力だけでなく、味方を生かすアシストも量産。いつしか「ミスターシーホース」と呼ばれるようになり、チームの顔として活躍する。キャリア通算は1万991得点を誇り、天皇杯制覇やリーグ優勝など数々のタイトルをチームにもたらした。

2007年には日本国籍を取得し、日本代表選手としても活躍。現在、ニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)やライアン・ロシター選手(宇都宮ブレックス)、ギャビン・エドワーズ選手(千葉ジェッツ)など帰化選手が代表で活躍しているが、桜木ジェイアールはこうした存在のパイオニアのひとりと言えるだろう。

引退セレモニーにはシーホース三河を指揮する鈴木貴美一ヘッドコーチをはじめ、現役時代をともにしたOBが来場し、ユーモアを交えながら彼の功績をたたえた。かつてともにプレーした現役選手による心温まるメッセージ動画も届けられ、これにはファンも大喜び。また、家族を迎えての花束の贈呈や、クラブより引退記念品としてレジェンダリーリングの製作・贈呈も発表された。

現役時代は得点、アシスト、リバウンド、すべてにおいて安定した成績を残してきた

2020年3月に行われた横浜ビー・コルセアーズ戦。奇しくも無観客試合が彼の引退試合となった。そのため今回の引退セレモニーは大きな意義があった

引退セレモニーにはシーホース三河のOBが駆けつけ、彼の功績をたたえた

クラブから家族に花束の贈呈も行われた。「長く現役を続けられたのは家族のおかげ」と感謝を込める


「ホスピタリティNo.1クラブだから驚くことはなかった」

Bリーグのレギュラーシーズンがスタートして5年目を迎えるが、これほど盛大な引退セレモニーが行われたことは記憶にない。ファンの前で感謝のメッセージを述べる機会が与えられ、クラブからはレジェンダリーリングなど贈呈品も用意された。ほかにもメッセージフラッグの作成や引退セレモニーの特設サイトの制作など。盛りだくさんの内容にさぞ驚いているかと思いきや、その点について桜木ジェイアールはこう答えた。

「本日のセレモニーはとても印象深い瞬間になりました。ただ、正直なところそれほど驚いていません。なぜならシーホース三河というクラブは、ホスピタリティNo.1のクラブですから」

シーホース三河は「B.LEAGUE AWARD SHOW 2018-19」において「ホスピタリティNo.1クラブ」に選ばれている。桜木ジェイアールは「ホスピタリティNo.1クラブのシーホース三河なら、直接ファンに感謝を伝えられる場を用意してくれる」と信じていたのだろう。

ちなみに「ホスピタリティNo.1クラブ」は演出やファンサービスなど、最高のおもてなしを提供したクラブに贈られる賞で、シーホース三河にとっても受賞は快挙だった。

「チームが日本一を掲げるならば、フロントも日本一を目指さなければならない」

シーホース三河の鈴木秀臣社長のもと、クラブ一丸となってアリーナエンターテインメントを創出。多彩なグルメ、用途に合わせて選べるシート、アーティストのライブのような演出などを行い、リーグからも「Bリーグにおいて先進的なクラブ」と評価されるまでになった。

引退セレモニーの開催は「桜木ジェイアールが偉大な功績を残した選手だから」という理由もあるはず。しかし、それを特別と思わせない選手とクラブの信頼関係を垣間見ることができた。華やかな引退セレモニーの開催はまさに「Bリーグにおいて先進的なクラブ」であり、ファンもこうして見送る機会を楽しみにしていたはずで、かけがえのない1日となった。

桜木ジェイアールにメッセージを送る鈴木秀臣社長

アリーナには、これまでの桜木ジェイアールのプレーをたたえたパネルが展示された

MCの小林拓一郎とタツヲもアリーナに駆けつけた


セカンドキャリアはヘッドコーチとして活躍することが目標

引退セレモニーのあとには会見が開かれた。これからのシーホース三河については、「今まで自分が期待していたことと同じ。現在の努力を続けてほしい。素晴らしいプレーヤーに入団してもらい、優勝を目指して戦ってほしい」と桜木ジェイアールは期待を込める。

現在、日本でヘッドコーチとして活躍することを目標に、コーチライセンスの取得を目指している桜木ジェイアール。「バスケットボールの試合はファンの方々にとってのエンターテインメントだと思っています。(私がヘッドコーチになったら)テンポが速く、激しいディフェンスを行い、どんどんと得点を重ねるようなバスケットボールをお見せできたらと思っています」と話す。また、「シーホース三河でヘッドコーチをやりたい?」の質問については「必要とされるならどのクラブでも頑張りたい」と笑ってはぐらかした。偉大なるプレーヤーのセカンドキャリアも楽しみにしていたい。

日本のバスケットボール史に大きな功績を残した桜木ジェイアールさん、19年間の現役生活、お疲れ様でした!

ファンやクラブ、スタッフ、ともに戦った仲間たち感謝を伝える桜木ジェイアール

サブアリーナでは、メッセージフラッグにファンが書き込み。それぞれが感謝を届けていた

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