三木道三が盟友・MINMIと打ち上げる新作「花火」の制作秘話と今後の夢とは
関西ウォーカー
「Lifetime Respect」で日本レゲエ史上初のオリコン1位を記録し、ジャパニーズレゲエ界を牽引してきた三木道三(a.k.a DOZAN11)が、下積み時代から親交があるMINMIと共演する「花火」を8月8日に配信リリース。レゲエ界のキングとクイーンが遂に共演した渾身の作品とあって、リリース早々に大きな反響を呼んでいる。
本作は、MINMIの真骨頂であるソカを基調とした、夏の気分をブチ上げるメロディアスな応援歌となっており、ライブコミュニケーションアプリ『Pococha(ポコチャ)』を使った新しいスタイルで生まれたという。その制作過程や2002年の引退からDOZAN11名義で復帰した現在の展望について、たっぷりと話を聞いた。

アプリを使って楽曲制作を配信!今だからこそできる新しい音楽の作り方
――今回の「花火」をMINMIさんと制作にいたった経緯についてお聞かせください。
「そもそもは、去年の10月7日に僕がライブコミュニケーションアプリ『Pococha(ポコチャ)』を始めて配信をしていたんですよね。これがおもしろくて、25年くらい前から親交のあるMINMIにも勧めてみたら彼女も今年の6月頭から始めて。そしたらある日、MINMIが配信をしながら曲を作ってたんですよ。それを見て『曲を作っている過程を聴かせてるの!?』って驚いたんです。しかも作っていた曲のテーマが“花火”で、花火は夏の風物詩であると共に、『Pococha』の中では配信者であるライバーを応援する高額アイテムのひとつなんですよ。曲はノリノリだし、配信も盛り上がるので素晴らしいなと思って、『僕が歌ってる男性バージョンだったり、コンビネーションバージョンとか作ろうよ!』って配信中にコメントしたんです。そしたら『いいですね!データ送りますね!』ってところがスタートで」
――すごくラフな感じで始まったのですね!
「おもしろいですよね。それで僕も『Pococha』で歌詞を『これと、これどっちがいいかな?』ってリスナーに聞きながら作ってみたり。『とりあえず、歌を吹き込んでみたから、まだ完成してないけど聴いてみて』って流してみたら『めっちゃいい!』って早速コメントで反響がもらえたり、レコーディング風景も見せてみたりとライブ感のある制作になりましたね。なので、今までとは全く違う、発売前からみんな何回も聴いてくれてるような状態でのリリースになりました」
――リスナーさんと一緒に作っていくような側面もあるのですね。
「全く一緒に作ったというと語弊があるかもしれませんが、みんなに聴いてもらいながら意見をもらいながら作ることはできたと思います。制作過程も見ていただきながら作るというのは新しい音楽の作り方だったんじゃないですかね」

――ご自身にとってもかなり新鮮な制作になったのですね。
「オンタイムで、感想をもらいながらなんて初めてでしたね。僕のリスナーにとっても、30代半ばぐらいから50代の方もいるのでまだまだ新しいメディアに驚きもある世代ということもあり、当初は『青春の人が名前を呼んでくれる!』って『Pococha』にみんな驚いてました。もう今はみんな慣れた感じで接してきてくれますけど(笑)。僕でいうと、井上陽水さんが配信で『DOZANさん、元気ですか?』と言ってくれるようなもんですからね。それはもう嬉しいし驚きますよ。そういうことが、今はもう普通に起こりうる時代なんだなと」
――新鮮だからこそ、今までと勝手が違って難しいところもありましたか?
「歌詞でいうと、バーっとすぐにできちゃうこともあれば、正解がいくつかあって迷う時があるんですね。そういう時って、いつもは身近な人に聞いたりするんですけど、今回はその相談相手がリスナーさんで、そのなかで意見が別れたんです。そうなると、どちらかを選ぶと一方の意見の人たちは残念がるのかなぁと考えたりしましたね。あとは、曲って作り始めてから半年ぐらい普通にかかったりするんです。けど、今回はリスナーさんも随時過程を見てくれているし、夏の曲だし『あの曲どうなったんかな』ってならないようにスピード勝負だったので、データをもらってから2ヶ月かからずにリリースまでいきました。楽曲制作自体の大変さというよりも、ミュージックビデオがまだできていなかったり、リリースのプロモーションなど他のことが配信のスピードに追いついてないので、そのあたりはこれまでにない特殊な制作になりました」
「遂に実現できたね」MINMIとの共作に込めた特別な想い
――レコーディング風景も配信されたということでしたが、普段スタジオにこもって収録する時とは意識的にも違ってきましたか?
「気持ち的にはそんなに変わらないんですけど、ライブ配信なのでテレビみたいにカットや編集ができない点は違っていたかなと。例えば、イントロ部分を今回は一番最後に録ったんですけど。僕のイントロトークで『天まで届け』という言葉があって、これは2年前に他界したMINMIとの共通の友人である麻苧俊宏へのメッセージなんです。僕にとっては高校時代からの親友なんですけど、彼は大阪を拠点にレーベルやスタジオなどを運営している「カエルスタジオ」の創業者であり、関西レゲエでは知らない人がいない立役者なんですね。MINMIにとっては、まだシンガーになる前からの親交があって、初レコーディングも彼のレーベルからだったりするので、そのイントロトークを録り終えたら涙腺が崩壊してしまい…。生配信だから、画面から逃げながら涙を隠す、オンタイム編集なしだからこそのドラマがあったりしました」
――メッセージを込めようというのは、当初から考えていたのですか?
「歌自体が先にできていて、後からMINMIから『イントロで声を入れてよ』という話になり。それで僕が彼にも届けたいなと思って入れました。というのも昔、彼がMINMIに『三木と一緒にやったってや』という話をしていたそうなんです。ただ、僕が2002年に歌手活動を引退して、その年にMINMIがメジャーデビュー曲『The Perfect Vision』でヒットしたので、メインで活動していた時期が僕たちは重なっていなかったから一緒にやる機会がなくって。なので、彼が生きてる間には実現できなかったけど、『ついに彼が言ってたことが実現できたね』って二人で話をしてました。知ってる人は知ってるんですけど、そいういドラマもあるんです」

――2002年に活動を引退されてから、復帰後は三木道三としてではなく、DOZAN11名義で活動してきたされてきたかと思います。それが今回、久しぶりに「三木道三」名義を掲げてのリリースとなったのは、やはり特別な思い入れがあってでしょうか?
「実はそこまで強い意味を込めたわけではないんですよね。MINMIのチームから、プロモーションをどうするかという話になった時に『三木道三じゃだめなんかな?』と打診されたのでちょっと迷ったけど結局『いいよ』と答えた感じで。今でも三木道三として呼ばれることがあるので、その度に『今は名前が変わってるんですよ』と。『僕に三木道三というのは、デーモン閣下に改名したのに、(デーモン)小暮さんというようなもんですよ』とよく言ってたり(笑)。とはいえ、過去にその名義で出してたから否定するのも違うし、イベントのフライヤーなんかでお願いされたら『ex 三木道三』って感じで出したりもしてましたから。その方がわかりやすいしね、今回もその延長のようなイメージです。そもそも三木道三の由来である、僕が好きな戦国武将の斉藤道三とか葛飾北斎も、生きてる間に何回も名前を変えてます。そんなノリで、過去の名前に特に執着はなくって。インパクトあるなら、それでもいいよねという感じで使うことになりました」
――実際に完成した音源を聴いて、率直なご感想はいかがでしたか?また、リリース後の反響はいかがでしたでしょうか?
「個人的には、すごいもん作ったなと驚きましたね。MINMIはソカという音楽ジャンルの第一人者として評価を得ていると思うんですけど、今までも『これぞソカ!これぞ夏!これぞMINMI!』という曲を出しているのに、それを超えてくるものを今作で出してきたので、MINMIは本当にすごいなと。反響としては、歌詞にもある通り『めちゃくちゃアガル!』と言ってもらえてます。個人的には、この曲がライブ配信から生まれた初のヒット曲になるといいなと思ってます。今まで、YoutubeやTikTokから生まれた人気者もいればヒット曲もお金持ちもいると思うんですけど、まだライブ配信発のヒット曲って聞かないので。MINMIと一緒に作ることができた、個人的にも特別な思い入れのある曲でもあるので、この『花火』がそういう風に広がっていくとうれしいなと思います」

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