【漫画】「使い方によっては天国にも地獄にもなる」マッチングアプリの恋愛事情を描く漫画家が見たもの

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

友人、恋人、体の関係だけの人。さまざまな出会いを探すことができるマッチングアプリを 実際に使い、体験談にフィクションを交えて描いた漫画『38歳バツイチ独身女がマッチング アプリをやってみた結果日記』の作者・松本千秋さん。

前回の記事 では、アプリを始めたばかりの筆者が松本さんにアプリを始めたきっかけやイケメンたちとの出会い、アプリでの恋愛事情などを聞いた。

「マッチングアプリは使い方によっては天国にも地獄にもなる」と考える松本さん。2021年10月に発売された新刊『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』では、アプリを一度は削除した主人公の“チアキ”が、前作よりも増してイケメンたちへの「好奇心」を強め、出会いと刺激を求めてアプリを再開するところからストーリーが始まる。異性関係に吹っ切れたチアキにとって、アプリが“天国”となっていく様子は痛快。

チアキは「恋人探し」としてアプリを使うことはなかったが、現実では、興味本位で始めたマッチングアプリで出会った相手に恋愛感情を抱いてしまうこともあるだろう。

今回は、松本さんが使用していたとあるアプリを今まさに楽しんでいる女性インタビュアーが登場。マッチングアプリについてより深く聞き出し、アプリをやってみた末に感じたことなどを作品になぞらえて、松本さんに赤裸々に語ってもらった。
(※以下、マッチ=マッチング、アプリ=マッチングアプリ)

作者の松本千秋さん。10月28日に続編である『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみたヤバい結果日記』が発売された


アプリでは『勘違いヤローにならないことがマナー』?

——アプリで「本気の恋愛」を求める方も多くいらっしゃるかと思います。実際にアプリで本気の恋愛を求めることって、アリだと思いますか?

「あくまで私が作品内で利用しているアプリの話ですが、真面目な関係を求めている人は別のアプリをやるほうがいいんじゃないかなって思います。イケメンと会える率が高いから楽しいけれど、その先にある展開には、不誠実な印象はぬぐい切れませんよね」

「本気になるのはイタい」続きを読むときは画像をクリック!


——そうですね。アプリによって傾向がちがうとはいえ、目的も人それぞれですし…。

「私は割り切って使い過ぎて、男性と真剣な気持ちで向き合えないという後遺症が残っています」

——私も“愛とか恋とかわからないスパイラル”に陥ったことがあって、それは本当にいろんな人と出会えたからだと思います。ですが私の場合は、「じゃあ私ぐらいは私を愛してやらなきゃ!」と逆に自分の愛し方がわかるようになりました。松本さんはいかがでしたか?

「いいことかどうかはわからないですが、他者に過度に期待して傷つくということがなくなりましたね。というか、いちいち傷つくのが面倒臭くなってしまいました。婚活目的など本気の恋愛を求める方が多いアプリでは、傷ついても傷ついても『運命の人と巡り合いたい!』 という強い信念や希望を持つ必要もあると思いますが、私は生涯のパートナーを求めていないので刹那的な関係でも問題なかったですし」

——恋愛関係にならないことに、寂しさを覚えたりなどはなかったですか?

「私は『モデル』や『俳優』など、“美しい”ということを仕事にしている『プロイケメン』と出会うことが多く、彼らがあまりにも年下かつかっこよかったので、“私ごときが精神”が芽生えてしまっていたんです。もしかしたら私に好意を持ってくれた人もいたかもしれませんが、意識しないようにしていました。『勘違いヤローにならないことがマナー』だと思って会っていましたね」

——決してでしゃばってはいけないんですよね。

「漫画をWEBにあげるたびに、『いい歳したおばさんが気持ち悪い!』という意見があったりもしました。気持ち悪さをなくすためにも、相手の好意を全て『本気なわけない!これは遊び!』と思い込んでいた節もありました。本気の人もいたかもしれないの に、あえて私はそれを探しには行かなかったです。これはもう隣にいるイケメンと比べた時の、私の年齢と見た目へのコンプレックスが生み出した使い方だと思います」

松本さんがアプリを再開した理由

——前作『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』のラストで主人公のチアキはアプリをやめていましたが、新刊の『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリ をやってみたヤバい結果日記』では友人の死をきっかけにアプリを再開されていますよね。 なぜもう一度始めたんですか?

「親友を亡くして、強い孤独を感じていました。共通の友達に相談したり支え合ったりしたかったのですが、意外とみんなあっさりしていて、彼女の死を一緒に悲しむ仲間がいなかったんです。それでリア友不信になってしまい、アプリの世界に救いを求めました」

「突然の訃報」続きを読むときは画像をクリック!


——そうだったのですね。ノリノリで再開したわけではなかったと…。

「どん底でしたね。あのアプリは『癒やし』とか『慰め』とか、そういったことを応急処置的に求めるツールとしてはすごく便利なんですよ。起きたら横に誰かが寝ている朝とか、今日は1人じゃないんだって、満たされたりするんですよね」

——意外と癒やし系なところありますよね、マッチングアプリって。

「『今が楽しければそれでいい』を貫き通せるなら楽しいけど、『未来を求める』のであればすごく物寂しく切ないものだと思いますね。だから恋愛と結婚、体の関係と恋愛を切り離せない人は、作中に出てくるアプリは使いこなせないかもしれません。『いろんな人間のパターンを見るのが楽しい』と思える人って、意外と少ないと思います」

「復帰戦スタート」続きを読むときは画像をクリック!


アプリのやめ時って?「まずは日々を充実させること」

——私、アプリのやめ時に困っているんですけど、何かアドバイスをいただけませんか?

「私は親友を亡くしたあとに一時期アプリをやめていたわけですが、その時に『私はやっぱり寂しいからアプリをしていたんだな』って気づいたんです。1人の時間が辛かったし、当時していた仕事はめちゃくちゃ好きでやっているわけではなかったから、仕事が生き甲斐って感じでもなかったし、別で娯楽を作る必要がありました。『刺激的な楽しさがないと生きていてつまんないな』と思っていたのでアプリに頼っていましたね」

——なるほど、刺激であり癒やしというか。

「でも漫画家になってしまったから、承認欲求が満たされてしまい、寂しくなくなったんです。数々のイケメンたちとの出会いによって、デートやセックスが習慣化していたのですが、仕事に満足し始めてからはそういった習慣がなくても寂しさなんて感じなくなっていきましたね」

「最近あんま寂しくない」続きを読むときは画像をクリック!


——それほどまでに「漫画家」という仕事は心を満たしてくれたんですね。

「そうなんです。忙しくなったことももちろんですが、漫画家という仕事を通して自分の話を聞いてもらえたり、気軽な雑談ができるようになって、メンズに寂しさを埋めてもらう必要がなくなりました」

——毎日の充実度を上げることが、アプリのやめ時に繋がるんですね。恋愛における依存も同じかもしれません。

  1. 1
  2. 2

この記事の画像一覧(全43枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

ページ上部へ戻る