パンに塗ってもおいしい!駄菓子「モロッコフルーツヨーグル」の秘密に迫る

2021年11月29日 17:00更新

関西ウォーカー

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小さくてレトロな容器とカラフルなふたに描かれた象さんが目印のモロッコフルーツヨーグル。幼いころ10円硬貨を握りしめて、駄菓子店に買いに走った記憶のある方もいるだろう。ある世代には懐かしく、若い世代にはレトロなデザインがかえって新鮮に映る駄菓子だ。実はこのモロッコフルーツヨーグル、大阪生まれ、大阪育ちのなにわっ子。60年におよぶ歴史や製造の秘密を探った。

夏に溶けるチョコレート、子供たちに甘酸っぱいお菓子を

モロッコフルーツヨーグルを製造・販売しているのは、大阪市西成区に本社を置くサンヨー製菓株式会社。昭和34(1959)年創業の池田製菓という会社が前身だ。創業当初はフィンガーチョコやソフトチョコ、その翌年からはウイスキーボンボンを販売していたが、問題は夏場に発生した。何しろチョコレートは暑さに弱い。当時は現在ほど空調も整備されていなかったため、せっかく作った製品も溶け出して流通が難しい。元気な子供たちも夏には食欲が落ちて、チョコレートの売り上げが下がる。創業者で先々代社長の池田信義氏は頭を悩ませた。

モロッコフルーツヨーグルのパッケージにも象の絵が。この状態で駄菓子店に卸される。「あたりが出たらもう1個」の言葉に、子供心は躍った


そこで思い至ったのがヨーグルトを模した涼しげなお菓子。「暑い時期でも、さっぱりと甘酸っぱいお菓子なら食べやすい」と、開発に取り組んだ。とはいえ、本業もおろそかにはできない。早朝から夜10時ごろまではウイスキーボンボンを製造し、新製品については終業後に連日徹夜で開発にいそしんだ。研究を重ね、試行錯誤を繰り返し、昭和36(1961)年、ついに新製品が完成した。今から60年前のことである。

ヨーグルトをイメージした駄菓子

半透明の容器に入ったクリームは滑らかで甘酸っぱく、フルーツの香りがして、いかにも子供たちに好まれそうだ。この容器は当時流通していた瓶入りヨーグルトをイメージしたもの。現在はプラスチックのパッケージに入ったヨーグルトが主流だが、昭和のヨーグルトはずんぐりした背の低いガラス瓶に入っていた。

モロッコフルーツヨーグル。カラフルなふたに象の絵が目印。容器の形は瓶入りヨーグルトを模している


商品名は、地中海沿岸の国々やモンゴルなどで、保存食として飲まれたり、食べられたりしているヨーグルトと、地中海沿岸の一国である北アフリカのモロッコという国名の響きが気に入っていた先々代社長によって「モロッコフルーツヨーグル」と命名された。

モロッコフルーツヨーグルは発売当初はなかなか認知されにくかったが、じわじわと人気を集めていった。それと同時に類似品も発売されたが、クリームの滑らかさなどで本家にはおよばず、ほとんどが淘汰されていった。現在販売されているのは「モロッコフルーツヨーグル」約3.7グラム入り、「ヨーグルスーパー80」約3.7グラム入り、「ジャンボヨーグル」約43グラム入りの3種で、クリームはすべて同じだが、ジャンボヨーグルは小さなヨーグルの約11倍の容量だ。価格はいずれもオープン。

モロッコフルーツヨーグルおいしさの秘密を調査。食パンに塗るのもオススメ!

滑らかな口当たりとほんのり優しい甘酸っぱさがモロッコフルーツヨーグルの特徴だが、原材料や製造方法も気になるところ。同社広報の山口絵三子さんによれば、「主原料は植物油脂です。味のないマーガリンのようなものに、砂糖や酸味料などの調味料を入れて、攪拌して作っています」とのこと。

特に気を配っているのがくちどけのよい食感で、2種類の植物油脂をブレンドしている。ただし「材料の種類や配合比率は企業秘密です」(山口さん)。小さな駄菓子に詰まった企業秘密。60年間愛され続きてきた理由はこのあたりにありそうだ。

さて、そのまま食べておいしいモロッコフルーツヨーグルだが、「パンに塗ってもおいしい」という噂が。山口さんに確認すると「焼いていない食パンに塗るとおいしいです」とのこと。さらに「お好みのフルーツやジャムを載せると、見た目もかわいらしくさらにおいしくなりますよ」と食べ方のコツを教えてくれた。大きいサイズのジャンボヨーグルなら、たっぷり塗って楽しむことができそうだ。モロッコフルーツヨーグルの別の味わい方として覚えておきたい。

こちらは普通サイズの11倍あるジャンボヨーグル。これならパンにたっぷり塗っても大丈夫だ


60年間の感謝を込めて

「モロッコフルーツヨーグルは、昭和36(1961)年に誕生し、今年60周年を迎えました。これもひとえに、たくさんのお客さまに手に取っていただけるおかげだと、とてもありがたく感謝いたしております。これからも、従業員一同、よりよい製品作りに努めたいと思います」。これからに向けた思いを山口さんはこう締めくくった。懐かしいあの味、もう一度手に取って味わってみたくなった。

取材・文=鳴川和代

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