野村萬斎、大活躍!「祝祭大狂言会」と映画「花戦さ」に注目 その1

関西ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

WEB連載「はーこのSTAGEプラス」Vol.41その1をお届けします。

フェスティバルホールで2013年のオープニングシリーズに初めて催された「祝祭大狂言会」。2015年からは隔年で登場の人気シリーズだ。人間国宝の野村万作を筆頭に野村萬斎ほか万作の会一門と、京都の茂山家という東西名家が出演。フェスティバルホールならではの演出によるスペクタクル狂言を、今年も「楽しく凛々しく賑々しく」上演する。

野村萬斎が来阪し、その見どころと意気込みを語った。その会見で、6月3日から公開される萬斎主演の映画「花戦さ」も、しっかり宣伝。舞台と映画、違った魅力を発揮する萬斎の想いを作品と共に紹介しよう。

★舞台「祝祭大狂言会」

【演目と見どころ】

「狂言の最小と最大単位の作品を、フェスティバルホールの格式を考えて選びました。おもしろさは『千鳥』。凝縮感を『奈須与市語』に、最大人数が出演する『唐人相撲』とミクロからマクロへめりはりをつけたい。『唐人相撲』には歌舞伎的おもしろさもあり、弱者を応援する狂言だと思います」。

●『千鳥(ちどり)』出演:茂山千作、茂山千五郎、茂山 茂

来客があるため、支払いの滞っている酒屋から、どうにかして酒を取ってくるよう主人に命じられた太郎冠者は…。太郎冠者と酒屋の駆け引きが楽しい作品を、W襲名の新千作、新千五郎ら茂山家で。

「チリチリやチリチリと…耳から入る音で楽しみ、お客さんも一緒に言いたい雰囲気になる、ご陽気な演目です」。

●『奈須与市語(なすのよいちのかたり)』出演:野村萬斎

源平合戦の折、奈須与市が扇の的を射た有名なエピソードを、所作の伴う語りで演じる仕方話。狂言の代表的秘伝であり、奈須与市、源義経ら登場人物に、ナレーター、群衆まで、萬斎がたった一人で語り、演じ分ける。

「長裃(かみしも)を着て刀を差し、膝で移動しつつ、袴さばきをみせる。舞うがごとく、歌うがごとく…。2700席のフェスで、ひとつの挑戦。壁のようにそびえ立つ人々に負けないエネルギーで立ち向かうことは大変なことだ思っています」。

●『唐人相撲(とうじんずもう)』出演:野村万作、野村萬斎、石田幸雄、深田博冶、高野和憲、月崎晴夫、万作の会一門

唐に滞在中の日本の相撲取りが帰国を願い出ると、皇帝は名残りに相撲を望む。通辞(通訳)を行司に、臣下たちが次々と相撲取りに挑むが、数人かかってもかなわない。ついに皇帝は自ら勝負を挑み…。現在上演されている狂言の中で、最大人数の演目。でたらめな中国語“唐音(とういん)”の会話、アクロバティックな相撲の技、そして唐人たちの負けっぷり!

「茂山家のお家芸との言える演目ですが、私どもで最初に作ったのは、父の70歳のお祝いの時。今回は今年86になる父と、私ども一門、今月始めに行った世田谷パブリックシアター20周年記念公演の際に公募した方々も加わっています。狂言は人間の弱さを笑い飛ばし、生きる糧にするもの。そこを演出のポイントに、人間のバイタリティや愛おしさを描いていければと。40名ほどの運動会のような演目なので、スクリーンも使い、能楽堂ではできない舞台美術を楽しんでいただきたいですね」。

「はーこのSTAGEプラス」Vol.40その2に続く。(https://news.walkerplus.com/article/106892/)

演劇ライター・はーこ

この記事の画像一覧(全5枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

お花見ガイド2024

お花見ガイド2024

全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!

CHECK!今が見頃の花見スポットはこちら

ページ上部へ戻る