青い甲羅が美しいカニはなんと陶製！ポージングも自由自在でかっこよさ炸裂

身近な生き物たちへの愛着が創作の源に

現在、岡村さんはカニをはじめとした甲殻類を多く作品モチーフとしているが、生き物への愛着は子供の頃の遊びから培われたものだそう。

「東北生まれの私にとって、昆虫や小動物は身近な存在で手近な遊び相手でもありました。生き物を好きになったのは幼稚園児の頃、家族キャンプの時に山で空いっぱいのアカトンボを目の当たりにし、感動したことがきっかけです。それからは夏休みになれば昆虫やザリガニなど、さまざまな身近な生き物に惚れ込んでいきました。造形に繋がっていったのは精巧な動物フィギュアとの出合いです。当時、お菓子のおまけや、カプセルトイなどのリアルさに驚き、お小遣いを注ぎ込んで集めたものです」

生き物好きへの道を示したトンボは特に思い入れの強い昆虫だそうで、2022年6月に発売される「学研の図鑑LIVE 昆虫 新版」にもトンボの生体提供をしているのだそう。

今後の目標を聞くと「より身近な自然や素朴なモチーフで多くの人の心を掴んでみたい」と語る岡村さん。7月には東京・根津にあるギャラリーマルヒにて個展の開催を予定しているんだそう。動く陶製のカニたちに出合えるチャンス！生き物好きの人は是非チェックしてみてほしい。

取材・文＝西連寺くらら