なぜこれがこうなる…?光を当てると浮かび上がる「影アート」、身近なものが名画に
東京ウォーカー(全国版)
一番反響の大きい作品は食パンのクリップから生まれた
――最も気に入っている作品は?
【佐藤】いくつもあるのですが、ひとつは「Lost and Found series NO.1」。このシリーズは電車やバスの中の遺失物を、忘れ物市などで買い取って仕上げた作品集です。それらを発表したのが初の個展「Lost and Found おとしもの」で、メイン的な作品がNO.1です。

「Lost and Found series NO.9」もお気に入り。これは、舞台美術で使われた木の葉っぱを活用したものです。普通は公演が終わると廃棄するのですが、それはもったいないと思いまして。また、葉っぱは平面で固定しづらく扱いにくい素材ではあるのですが、表現してみたらうまく作ることができました。それも気に入っているポイントです。

「Pride of Bag closures : type Free」は個人的に好きで、なおかつ最も反響をいただいている作品だと思います。これは身近にあるパンのクリップを使って、ドラクロワの有名な絵画「民衆を導く自由の女神」の一部を表現した作品です。

光を当てた影を見たあとでも、どのクリップがどの部分を形成されてるかが特に分かりにくくできています。使い道があまりない身近な素材が、美しい名画になるギャップが反響の大きさになっているのかな、と思います。
もうひとつ挙げたいのが「Pride of Magnets : type Parasol」。水道屋さんがポスティングするマグネットを活用し、モネの「日傘をさす女(左向き)」を表現した作品です。

これは派手な主張がある広告マグネットから、美しくきれいなものを表現したくて作りました。また、舞台照明のカラーフィルターを使って背景の色を変えることで、原作の世界観に近付けています。
――今後の目標を教えてください。
【佐藤】個展では、ダンスなどを取り入れたパフォーマンス公演をやったことがあるのですが、今後はさらにバージョンアップさせた舞台作品を作るなど、影アート×○○といったようなさまざまなジャンルとコラボレーションしたいですね。あとは、これまでにない大きなサイズの作品にも挑戦したいです。

――この記事を読んでいる人にメッセージをお願いします。
【佐藤】影アートは、ライトを点ける前後の驚きを楽しめる、ビフォーアフターが醍醐味な、体験型の作品です。今後も直接楽しめる機会を作っていきますので、ぜひSNSやホームページなどを参考に遊びに来てください。直近は、2022年6月18日(土)から福島県の郡山市立美術館で開催される「光と遊ぶ超体験型ミュージアム 魔法の美術館」に出展予定です。

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
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