ゲスト・又吉直樹の沖縄エピソードで笑いもアリ!「琉球交響楽団」初の大阪公演を聴いてきた
東京ウォーカー(全国版)
又吉直樹が「沖縄と家族」朗読で会場に笑いが
休憩を挟み、第2部はいよいよ萩森英明(はぎのもりひであき)作曲の「沖縄交響歳時記」の大阪初披露だが、その前にゲストとして又吉直樹が登場。
この日のために書き下ろしたという「沖縄と家族」と題したテキストを朗読した。父が沖縄出身の又吉は、父や祖母、沖縄にまつわるエピソードを笑いを交えつつ披露。ホールは和やかなムードに包まれた。ザ・シンフォニーホール初出演の又吉は「お客さんの笑い声の響き方も違いましたね」と公演終了後、感想を述べた。

琉球音階と民族楽器を散りばめて沖縄の四季を表現
そして大阪初披露となる「沖縄交響歳時記」の演奏がスタート。第1楽章「新年」は、沖縄の海から初日が昇るような、清々しく雄大な曲想。随所に琉球音階や沖縄の民族楽器など沖縄を感じさせる要素が散りばめられている。それと同時に、クラシック音楽らしい構成で、クラシックと琉球音楽を両立させたオリジナリティの高い交響曲だ。
生命の息吹を感じさせる第2楽章「春」、まばゆい真夏の太陽や青い空を想起させるダイナミックな第3楽章「夏」と続き、沖縄の光や風がホールに満ちるようだ。ところどころに島唄のモチーフが織り込まれた第4楽章「秋」、春への期待を感じさせる第5楽章「冬」と、沖縄の風景が浮かぶようだった。
カチャーシーを踊るような高揚感に圧倒!
そしてすべての集大成と言えるのが第6楽章「カチャーシー」。カチャーシーとは沖縄民謡に合わせ、両手を上げて、手首を回しながら踊る踊り方。沖縄では、何かうれしいことがあればカチャーシーを踊る。又吉は朗読のなかで、子供の頃に父と一緒に沖縄に帰省した際、親戚の前でカチャーシーを踊ったエピソードを披露している。その時は父よりも踊りがウケたせいか、「調子に乗るな」といさめられたそうだ。
カチャーシーがテーマの第6楽章は、今までの5楽章をすべて受け止めるようなメロディーが印象的。後半に向けて曲は盛り上がり、実際に踊り出しはしないものの、心のなかでカチャーシーを踊っているような気分になる。指揮者の動きですらカチャーシーのようだ。高揚した気分のままフィナーレを迎えた。

客席からは惜しみない拍手が贈られ、出演者はカーテンコールでそれに応えた。又吉は「クラシック公演のカーテンコールに出たのは初めて。ルールを知らなくて緊張しましたね。指揮者の大友直人さんの動きを見ていました」と振り返る。

大阪初披露の「沖縄交響歳時記」は、曲のすばらしさに加え、命を吹き込んだ琉響の情熱や力強さに圧倒された。沖縄にまつわる曲は多数あるが、これは間違いなく沖縄を表現した曲のトップクラスだ。また琉響が来阪してこの曲を演奏してくれることを願ってやまない。
取材・文=鳴川和代
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