「心の中にある失敗したことを書き出す」sumika片岡健太が出版記念トークショーで語った“失敗の美学”
東京ウォーカー(全国版)

中盤には、朗読に挑戦。「朗読は人前でやったことがないので緊張してしまうんですけど、リラックスして聞いてください」と、書籍には未収録だったエッセイ「桃の缶詰」をひしと読み上げた。幼少期、風邪を引くと決まって桃の缶詰を買ってくれた祖母の話に、コメント欄には多くの感動する声があふれた。
後半は、参加者から寄せられた質問に片岡が答える、質疑応答のコーナー。最初の質問「いつもどんなところから言葉をインプットしているんですか?」に対して、「人と会話すること」と回答。「雑談ですね。人が何を考えているのかが気になるんです。例えば『最近感動したことは?』と聞いて、その人が得た感想を僕がもらっちゃってるという(笑)。ずるい気持ちじゃなくて、人と話してると自然と入ってくるんです」と、その理由も伝えた。
「作詞・執筆活動をする上で、影響を受けた作家は?」という質問には「最初に頭に浮かんだのは松本隆さん。松本さんの歌詞を読んでいてすごいなと思うのは、可視化できることなんです。言葉から『これはこういう光景なのかもしれないな』と、2次元から3次元になるくらい情報量がギチギチに詰まっているんです」と、はっぴいえんどの「風をあつめて」や松田聖子の「赤いスイートピー」を例として挙げながら答えた。
「失敗したとき、どうやって気持ちをリセットしていますか?」には、「心の中にある失敗したことを書き出します。そうすると、失敗した瞬間や気持ちの上では辛いですが、文字にすると“意外と小さいことなんじゃないか”って思えるんです」と回答。他にも「夢に向かっていて壁にぶつかった時のモチベーションは?」「戻ってみたい年代は?」などの質問に丁寧に答えていった。

最後は、「楽しみにしてたのにもう終わっちゃうの?」と名残惜しげな表情を見せ、「すぐ叩かれたり炎上したりと、今は失敗しづらい世の中になっているなって思うんですけど、全力でやっていれば誰しも失敗はするものだと思っています。失敗からしか学べないこともいっぱいあると思っていますし、失敗があったおかげで出会えた人と僕はバンドを組んでいて、音楽を作っています。その縁からできたもので今回の『凡者の合奏』という本ができたので、過去の失敗には感謝しています。いっぱい失敗してきた身として、全力で頑張っている人が失敗したときに、『そういうこともあるよね。でもこれからもっと楽しいことがいっぱいあるよ』という風に、前を向いて進む同志として、これから進んでいければと思っています。楽しい人生を一緒に歩んでいけたらと思っていますので、今後もよろしくお願いします」と、自身の経験を踏まえた力強いメッセージで締めくくった。

取材・文=田中隆信
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