「神戸タータン」って知ってる?神戸の街を連想させるオリジナルのチェック柄が誕生した理由

2022年9月21日 08:16更新

東京ウォーカー(全国版)

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2017年に神戸開港150年を記念し、神戸のイメージカラーを凝縮したタータンチェック「神戸タータン」が誕生した。タータンチェックとは、縦と横の色の配列が同じチェック柄であり、スコットランドでは地域ごと、氏族ごとに特有の柄がある。

ヨーロッパ航路の玄関口として発展した神戸港では、これになぞらえて「神戸タータン」を誕生させたわけだが、それから5年。現在はさまざまな商材に転じられ、神戸エリアのみでの販売にも関わらず、その認知は全国だけでなく世界にも知られつつあるんだとか。

今回は「神戸タータン」の概要と現在の取り組みについて、「神戸タータン協議会」の植村一仁さんに話を聞いた。

「神戸タータン協議会」副会長・三宮センター街1丁目商店街の副理事長も務める植村一仁さん


ブルーを基調にした「神戸タータン」のコンセプト

そもそも「神戸タータン」は、「神戸のイメージを再構築するブランドファクター」「地域事業間の壁を乗り越える共通言語」「新商品開発から販路開拓のビジネスを促進」という3つのコンセプトで生まれたものだという。

このコンセプトを詳しく説明すると以下のようになる。

・神戸という街は西洋文化をいち早く取り入れ、新しい物事を独自文化として昇華した歴史がある。「タータン」を用いることで深く神戸に根ざし、洗練されたブランドファクターとして「神戸タータン」は新しい神戸のイメージを再構築する。

・「神戸タータン」は、神戸のイメージを想起させ、あらゆるアイテムに使うことができる。商店街や商業施設、事業者間の壁を乗り越える共通言語としての役割を果たし、一事業者だけでは実現しなかった神戸全域でダイナミックな活動を可能にする。

・「神戸タータン」は本協議会に参画される会員の誇りの象徴。会員相互の交流や情報交換を推進し、高感度で洗練され、おしゃれで機能的なものづくりを可能にする。「神戸タータン」は地域社会への貢献責任を完遂する。

「神戸」と聞いてイメージする色・ブルーを基調に考案された「神戸タータン」


「神戸タータン」は、縦と横の色と配列が同じ正方形のチェック柄だが、これは神戸のテーラーを営む石田洋服店店主で神戸タータン協議会会長の石田原氏によって独自に考案されたもの。その美しさは神戸のイメージともぴったり合っている。

「『神戸と聞いてイメージする色は?』と尋ねた際、みなと神戸の海のブルー、街に多く見られる白亜の建築物や真珠の白、ポートタワーや神戸大橋の赤、そして後ろに控える六甲山の緑…このように答える人は多いと思います。これらのエッセンスをチェック柄で表現したのが、この『神戸タータン』です。『神戸タータン』はアパレルはもちろん、パッケージデザイン、プロダクトデザインなどさまざまな商品で使用することができます。美しく目を引く『神戸タータン』だからこそ、誕生から5年にして多くの企業の商品・団体に使用していただけたと思っています」

「神戸タータン」商品を取り扱う量販店の専門コーナー

神戸北野ホテルでは、「神戸タータン」を採用したコンセプトルームがある

2017年の誕生以来、各方面に浸透する「神戸タータン」。(写真は『カリモク』の家具に採用されたもの)


学校制服にも採用された「神戸タータン」

この「神戸タータン」を採用した商品は実に多く、従来のアパレル商材はもちろん、小物、家具、文房具、お菓子、コーヒーなどジャンルもさまざまだ。

ただし誰でも許可なく使っていいものではなく、使用希望の企業・団体は「神戸タータン協議会」への入会が必要。会員となった後は公序良俗に反しない限り、あらゆるアイテムでの使用が可能となる(届け出・許可制)。また、必ず神戸市内における販売・展開を原則とするという。

「『神戸タータン』を使った商品は、実にさまざまなものが販売されていますが、一方で神戸マラソンのゴールテープや完走者メダルのリボンなど、神戸市をあげたイベントでも採用されています。来年度からは神戸市立の中学校の標準服にも採用される予定です。『タータン協議会』では毎年地元の新小学1年生に、入学式で『神戸タータン』のクリアファイルと下敷きをプレゼントしています。このように、あらゆる企業の商品への意匠提供だけでなく、『神戸タータン』をより多くの人に親しみを持っていただけるよう活動しています」

神戸市立本山中学校の標準服に採用された「神戸タータン」

神戸市内の新小学1年生にプレゼントされる「神戸タータン」の文房具

神戸松蔭女子学院大学ファッション・ハウジングデザイン学科では、2017年以来「神戸タータン」を使ったファッションショーを継続的に実施している


ファッション都市・神戸ならではの意匠

地域の認知やブランド力を高めるために誕生したものといえば、例えば熊本県の「くまモン」などがあるが、「神戸タータン」はそれとはまた趣きが異なる。くまモンが使用制限が比較的ゆるいキャラクターだったのに対し、神戸はあくまでも「タータン」という意匠で神戸エリアのみで販売されるもの。どこか港町・神戸の矜持のような印象も受ける。

「そもそもタータンとはスコットランドのクラン(氏族)を表す、日本で言えば家紋のようなもの。世界各地には都市を表すタータンもあり、ファッション都市・神戸のシンボルの1つとして作ったのが『神戸タータン』です。神戸市民の方にとって、さらにアイデンティティの象徴になり、またほかの街や諸外国の方にとっても『神戸と言えば、この柄!』と思っていただけるよう、さらに多くの方に親しんでいただければいいなと思っています」

「神戸タータン」のさらなる広がりに要注目!


誕生から5年で会員企業・団体は139社に

誕生から5年が経過した「神戸タータン」だが、植村さんは「さらなる認知の場を広げていきたい」と話す。最後に今後の展望について聞いた。

「『神戸タータン』が誕生した際には10社ほどだった会員企業・団体が、現在では130社を超えました。全国で営業している企業が神戸限定ということで採用されることも多くなっています。神戸の量販店では『神戸タータン』コーナーが設けられるほか、新神戸駅やECサイトでもグッズが販売されるなど、神戸を象徴するアイテムとして愛されています。

また、宮崎カーフェリーの新造船内のデザインにも採用されたり、三宮センター街1丁目商店街の3階デッキ『三Fストリート』には、『神戸タータン』をあしらった自動販売機も設置しました。今後もさまざまな形で『神戸タータン』を目にしていただける試みを行っていきたいと思います。神戸にお越しになる際は、ぜひ実際に触れていただければうれしいです」

三宮センター街1丁目商店街に登場した「神戸タータン」自販機


取材・文=松田義人(deco)

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