藤ヶ谷太輔「楽しかった思い出がひとつもない」アイドルと俳優の両立ゆえの悩みに前田敦子も共感
東京ウォーカー(全国版)

Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が主演を務める映画『そして僕は途方に暮れる』が、2023年1月13日より公開。本作は、映画でメガホンを取った三浦大輔監督による、シアターコクーンでは初めての書き下ろしとなった2018年の舞台『そして僕は途方に暮れる』が原作となっている。
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は恋人の里美(前田敦子)と言い合いになり、ばつが悪くなってその場から逃げる。その夜から、友人や先輩後輩、家族の家を転々とする逃避行が始まった裕一と彼を取り巻く人々の姿を描く。

ともに舞台からの続投となる藤ヶ谷と前田にインタビューを実施し、舞台上演から4年間での変化や、三浦組の現場について聞いた。
「楽しかった思い出がひとつもない」三浦組
――『そして僕は途方に暮れる』が映像化されるというお話を最初に聞いた時はどう思いましたか?
【藤ヶ谷太輔】舞台の時に三浦監督が「すごく映像向きのものを舞台にした」とおっしゃっていて、僕も確かにそうだなと思いました。実際に映像になると、裕一が逃げる道中の距離も伸びるし、すごく立体的になるんだろうなと想像していました。ただ、舞台でもあれだけしんどくて厳しかったので、映像になるとどうなるのかなと……。そのしんどさは想像の遥か上をいっていましたね(笑)。でも、それが監督や我々演者、スタッフのこだわりという形で、しっかりと一つひとつの画に詰まっていると思うので、映像という一生残る形になったのはすごくうれしいですね。
【前田敦子】監督は「舞台と映像の狭間みたいな作品にしたい」とおっしゃっていましたね。だから、舞台もマイクを仕込んで会話劇をする結構挑戦的な作品だったんですよ。そういう意味では映画になって、藤ヶ谷さんがまた裕一を演じるのはすごくうれしいなと思いました。私自身も挑戦をさせてもらった舞台だったので。

――想像の上をいくしんどかったシーンというのは、具体的には?
【藤ヶ谷太輔】わかりやすく言うと、楽しかった思い出が本当にひとつもないですね(笑)。
【前田敦子】藤ヶ谷さんはすごく大変だったと思いますよ(笑)。
【藤ヶ谷太輔】この作品はすごくニュアンスが大事な作品なので、監督に「なんとなくここに来て欲しい」「なんとなくこうして欲しい」というのがあるんですけど、「ここが違う」と指示があるわけではない。監督の“なんとなく”と演者の“なんとなく”のチューニングがものすごく難しくて。コロナ禍なので、みんなで空き時間に話したり、ご飯を食べに行ったりということもなかったですし。目をつぶって小さな穴に何千本も糸を通し続けているような作業で、初日から途方に暮れていました。

【前田敦子】私や家族役の皆さんは撮影期間が長くても10日間くらいで、それぞれ入れ替わっていくんですけど、藤ヶ谷さんは転々としていかないといけなかったですもんね。撮影の最初にちょっとだけ参加させてもらって、最後にまた現場に入った時に、藤ヶ谷さんもスタッフさんもちょっと何かを経てきた感じがあったというか。
【藤ヶ谷太輔】やっぱりあった?(笑)
【前田敦子】北海道で久しぶりにお会いした時、すごく心配になりました(笑)。役とともに生きちゃっているから、見た目が随分やつれているように感じて、いろいろな事を経てきたんだなって思いました。
【藤ヶ谷太輔】僕は現場では映像を確認しないので、初号で初めて映像を観たんですけど、自分がどんどんやつれて顔が変わっていて、かわいそうだなと思いました(笑)。

【前田敦子】でも今日お会いして、ちょっと安心しました(笑)。
【藤ヶ谷太輔】たぶん前田さんもアイドルをやっていた時に経験していると思うけど、今日は芝居、明日はライブとかっていうことがあるじゃない?僕はこの現場が終わってすぐに西武ドームでライブだったんですけど……通常の自分に戻るまで半年以上かかりました。
【前田敦子】ずっとさまよってました?
【藤ヶ谷太輔】そう、自分はもっと人に優しくできるはずなのにとか、もうちょっと明るかったなとか、よくわからなくなっちゃって。ちょっとタイミング的に忙しかったこともあって整理もできないし、打ち上げもないから終わった感じもしなかったんだよね。
【前田敦子】確かに、今って切り替えるのが難しいですよね。難しいといえば、この作品って現場は厳しかったんですけど、監督は優しいんですよ。だから難しかったんです。

【藤ヶ谷太輔】三浦監督は、裕一そのものだよね。
【前田敦子】そうそう、ずっと謝ってるんです。だからこちらも何も思えないというか、「大丈夫ですよ」って言いながら、みんな監督の沼にハマってる(笑)。
【藤ヶ谷太輔】監督が1度、「今日は早く帰りたいね」とおっしゃっていたことがあって。もしかして今日は早く終わるかなと思ったんですけど、いざ撮影が始まったら「はい、もう1回!」「もう1回!」って、何度も。早く帰りたいんじゃなかったの?と思いました(笑)。
【前田敦子】そうなんですよ、そういうところが沼なんですよ、監督は。
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