タザキの投資本案内「ピーター・リンチの株で勝つ」/個人投資家なら読むべき本No.1!アマでも儲けることは可能

東京ウォーカー(全国版)

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こんにちは。YouTubeチャンネル「聞いてわかる投資本要約チャンネル」を運営している、二児の父でサラリーマン投資家のタザキ( @tazaki_youtube )と申します。

学生時代に株の魅力を知って以来、投資本好きが高じて自分の学びをYouTubeで発信したところ、想像以上の反響を呼び、3年間でチャンネル登録者が10万人を超えました。これまでに読んだ投資・マネー系の本は300冊以上。

その経験から、ここでは特におすすめの書籍や、コスパの高い書籍を、経験値や投資スタイル別で紹介していきます。本日は、 「ピーター・リンチの株で勝つ[新版]」(著:ピーター・リンチ、ジョン・ロスチャイルド/ダイヤモンド社) という本をご紹介します。

ピーター・リンチの株で勝つ[新版]ダイヤモンド社


著者のピーター・リンチは、かつて「全米No.1ファンドマネジャー」とも呼ばれた伝説の投資家の一人です 。今更、私が紹介するまでもないような有名すぎる本書は、個人投資家に基本的な情報や、勇気を与えるような内容です。

個人投資家には強みがあり、アマチュアであっても儲けることができる、と本書は語っています。機関投資家にならって誰かの真似をする必要はありません。ファンドマネージャーであった著者は、投資をする際に「アマチュアのように考えること」に努めてきたと述べています。

有望株は家の近くにある

有望な株、つまりテンバガーのような(10倍に伸びるような)銘柄を見つける鉄則は 「身近にあり、詳しく知っている銘柄だけを買う」 ということです。

例えば、自分の家の近くにあるもの、自分の生活の身近にあるものや、自分が働いている業界の中で将来有望な新規企業。そのようなところに良い銘柄が隠れており、年に数回くらいはみんなチャンスに出会うはずだと彼は語ります。

本書に登場するある夫婦の事例は象徴的です。夫は新エネルギー株やテクノロジー株の調査に忙しくしている間、ビジネスやお金には音痴と言われる妻は、とある洋服店の話をしています。妻は洋服店の値段の安さや、ユニークさを興奮気味に語るも、夫は無関心。

その後、夫が調べていた人気業界の人気銘柄の株価は振るわず、流行に敏感な妻が感激した洋服店の株価は100倍になりました。そして経済雑誌に取り上げられ始めて、ようやく夫は妻の話を思い出し、投資をしました。

しかし、その時すでに妻は洋服店がお気に入りではなくなっていました。値段が上がり、似たような服が他店でも買えるようになっていたためです。今度も、夫はそんな妻の話を無視。結局、夫が買ったタイミングが天井だったのです。

「いい株は家の近くで探せ」 という言葉は、あなたが好きな商品を出している会社や、あなたの好きな食べ物を出しているレストランなど、身近な場所で優良株がすぐに見つかるという意味ではありません。しかし、ピーター・リンチ自身も、妻や娘をデパートなどに連れていき、最新のトレンドを学んでいる、と『ピーター・リンチの株の法則』でも語っています。

女性は流行に敏感な傾向がありますから、男性投資家は、パートナーや家族が、何に夢中になっているかを聞くことで、投資のきっかけが見つかるかもしれません。

もちろん、ただ単に商品やサービスが好きだから買うのではなく、利益の見通しや市場のポジショニング、財務状況、成長計画などをきちんと調べることが大前提だ、と強調されています。

また、自分が詳しく知っている業界や勤めている業界の企業なら、ウォール街の専門家ですら把握しきれない情報を掴む可能性があり、 普通の会社員であっても、プロを出し抜けるかもしれない のです。

アマチュアの柔軟性は強み

普通、どんなことでも、プロとしてやっている人の方が優秀だと思われますが、著者はそうではないと言います。なぜなら、プロや、機関投資家と言われる人たちは、ファンドのルールに合う銘柄しか買えない傾向があるため、突飛な銘柄を避けることが多いからです。

また、IBMのような大企業株を選び株価が下がったとしても、ファンドマネージャーたちは職を失うことはありません。そのため、そういった大企業に投資することが多いのですが、それではリターンも限られてしまいます。

逆に、小さな会社に投資することで大きなリターンを得ることができる可能性があるにもかかわらず、その会社が倒産してしまった場合、顧客や上司の信頼を失い、職を失う可能性があります。

個人投資家には、こうしたしがらみがありません。そのため、 自由に銘柄選択をすることができ、機関投資家よりも柔軟に投資戦略を展開することができます 。ただし、リスク管理が非常に重要であることも忘れてはなりません。

事実を手に入れる

報告書だけでは得られない情報は、私たちが口座を開いている証券会社に聞くか、会社に電話するか、会社訪問や店舗訪問をするなどして、得ることができます。

小売業や、サービス業であれば、実際に店舗訪問をすることが容易です。また消費者目線は誰もが持ち合わせているので、他店との比較や、将来見通しを立てやすいでしょう。

個人投資家が、会社訪問をして話を聞くのはハードルが高いですが、IRへ電話することはできます。電話をする際には、ある程度の準備は必要でしょう。有価証券報告書や、決算短信、コーポレートサイトのIR情報など、すでに開示されており、読めば分かるような情報のためにわざわざ時間を取ってもらうのは悪いですし、担当者からも、その程度の情報収集能力の投資家だと思われかねません。

実際に買った株なら株主総会に出席したり、その後の懇親会でも情報収集ができます。総会は発言内容が記録されるオフィシャルな場ですが、懇親会ではオフレコになるため、役員クラスとより気軽なコミュニケーションをとれる場合もあります。

株主総会は株主にならなければいけませんが、買っていない会社でも、「IRフェア」などの投資家向けイベントに行けば、情報を手に入れられます。出展企業のブースで説明を聞いたり、現場社員の生の声を聞くことができます。ピーター・リンチが企業訪問した際に最も重視するのは、その場所から受ける「感じ」だと言います。

個人投資家であっても、書類だけでは分からない情報から得られる定性的な「感覚」を得る方法は多数あることが分かります。

個人投資家でも、情報を手に入れる手段は豊富にある


過度な分散を避けよ

「分散投資が大事」というのは一般的に言われていますが、ピーター・リンチはこれに警鐘を鳴らします。 分散は大事だけど、分散をするために知らない銘柄を入れるというのは、本末転倒である ということです。

多くの個人投資家のポートフォリオは、10銘柄程度を推奨しています。一つ一つその銘柄をウォッチし続けるというのも大変なので、きちんと目を光らせることができる数がこの程度ということですね。

また、長期的な目線で言うと、あまりに頻繁な売買を控えるべきです。コストを抑えることは非常に重要なことです。

避けるべき株と“危険なフレーズ”

避けるべき株や、危険なフレーズなども必見です。以下の6つは、避けるべき株と言われています。

1. 超人気産業の超人気企業
ニュースを賑わし、誰もが通勤途中でも耳にする企業。人気化すれば急騰しますが、落ちるときも急激です。

2. 第二の何々にご用心
第二のマクドナルド、第二のインテル、第二のディズニー。著者の経験では第二の何々がうまくいった試しはありません。

3. 多悪化
多角化ならぬ多悪化を行う会社の特徴は、(1)高過ぎる買収価格で、(2)全く知らない分野の会社を買収すること、です。

4. 大穴株、耳打ち株
あなたが誰かから「儲かる株がある」と聞く頃には、他にも日本中で多くの人が同じ話を聞いていると思った方が賢明です。

5. 下請け会社
大口顧客は価格交渉などで下請け会社の利益を圧迫するほどの力を有しています。一握りの大口顧客に頼っている企業は危険です。

6. 名前の良い会社
名前はつまらないのに内容が良い会社は早くから買われることが少なく、二流事業でもイカした名前の会社は投資家に誤った安心感を抱かせます。

また、よく聞かれるが危険なフレーズのまとめも、思い当たることが多すぎる内容でした。例えば、 「もうこんなに下がったのだから、これ以上上がるわけない」 というフレーズです。

「どこまで下がるか」や「どこまで上がるか」ということには、ルールはありません。株価はこれ以上上がらないと思っても、実際にはまだ上がる可能性があるし、逆に下がらないと思っても、さらに下がる可能性があることがあります。

そういった、「これ以上〜はずがない」という断言は、危険で恐ろしい知ったかぶりだと書かれています。

読んでおくことで個別株へのアンテナの張り方を学ぶ

全体を通して、分かりやすい例え話も多く、各章の最後には、ポイントが箇条書きされていて、とても便利な一冊です。

何より、 初心者の個人投資家でも、自分が得られる情報で十分に戦えるという、勇気を持てる内容 になっています。

初心者ほど、経験者は自分には手の届かない特別な情報を持っていると考えがちですが、そうした誤った妄想から解放されると思います。何より、投資のプロと言われるファンドマネージャーの中でも伝説と称されるピーター・リンチが、個人投資家の思考を持ち続けているのですから。

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