多様化するニーズにどう応える?サントリーパブリシティサービスが、比叡山延暦寺で「参詣者応対基礎研修」を実施

東京ウォーカー(全国版)

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企業・文化施設の運営・コンサルティング業務を展開する「サントリーパブリシティサービス(SPS)」は、2023年3月に計2日間、天台宗の総本山である比叡山延暦寺で「参詣者応対基礎研修」を実施。住職・職員計150人が、グループワークなどに参加した。

SPSによる比叡山延暦寺での研修の様子


SPSの接遇研修プログラムとは?

「サントリー武蔵野ビール工場」に始まる案内業務のノウハウを有するSPSは、各種施設の総合案内や受付、コールセンターなどの受託ビジネスを展開。現在ではイベントプロデュースや施設見学のコンサルティング業務、各種研修、ワークショップなどの人材育成分野にまで事業を拡大している。

そのうち「研修企画・運営」業務では、20を超える接遇研修プログラムをラインナップし、顧客のニーズを汲み取ったうえで、カスタマイズして提供しているという。
今回の比叡山延暦寺での「参詣者応対基礎研修」も、このような背景から実現したとのこと。

多様化する参詣者のニーズ

1200年の長い歴史と伝統を有する比叡山延暦寺は、世界の平和や平安を祈る寺院として、また国宝的人材育成の学問と修行の道場として、日本仏教各宗各派の祖師高僧を輩出している。

一方で、世界中から年間50万人以上の観光客が訪れ、各SNSのフォロワー総数も7.1万人を超える現在、参詣者のニーズは多様化・複雑化。Instagram、YouTubeといったSNSへの投稿、坐禅や写経といった修行体験など、訪れる人々の目的は実にさまざまだ。

このような状況にあって、比叡山延暦寺では“天台宗総本山 比叡山延暦寺”としての対応品質を改めて見直す機会を重要視。「参詣者応対基礎研修」の実施につながった。

【写真】SPSオリジナルの「BLOCK PLAY SESSION」の様子


研修プログラムの内容

今回の研修では、SPSオリジナルの「BLOCK PLAY SESSION」が採用された。セッションの目的は、参詣者の期待と向き合い、これからの延暦寺の“在りたい姿”を表現することで、全員が共感し合いながら意識をそろえること。参加者たちは「独りよがりではなく、参詣者のニーズも踏まえたうえで、どのような応対と対応が必要なのか」についての、立場を超えた“自分ごと化”に臨んだ。

SPSによる、比叡山延暦寺での研修の様子


研修プログラム概要
開催日時:2023年3月3日10時~11時45分、3月9日14時30分~16時15分
参加者:約150人
内容:「参詣者応対基礎研修」
1.各人ワーク「理想の比叡山延暦寺の状態」
2.グループワーク「最高の比叡山延暦寺の状態」
3.グループワーク「私たち比叡山延暦寺のスゴイところ」
4.グループワーク「参詣者のニーズや期待」を考える
5.グループセッション「参詣者のニーズに応えるために、わたしたちの振る舞いはどうあるべきか?」

比叡山延暦寺総務部長・小鴨氏のコメント

参詣者の気持ちを想像し、世界に誇る比叡山延暦寺ブランドの継承へ
「2022年より勤務者に向けて、参詣者への応対の仕方、勤務者間のコミュニケーション活性、働くモチベーション向上を目的としたさまざまな研修会を実施しています。お寺という、ある種、閉鎖的になりがちな職場のなかで、世間の常識とのギャップを理解し、取り組んでいくことは意外と困難なものです」

「昨年はハラスメント研修でしたので、今年は前向きなお参りの方へ気持ちを向けた研修を相談いたしましたところ、この度のご提案をいただきました。『わが職場の魅力を見直し』『お参りの方が求めていることを明らかにし』『そのために自分が何をなすべきか自ら考え』『それを共有する』というプロセスは、『比叡山延暦寺』を守り伝えていく一員としての自分を、改めて考える大変良い機会になったと思います。目に見える変化や変革は直ぐには表れないかもしれませんが、良い方向に向かっていくことを念じています。大変よい研修を実施していただきありがとうございました」

SPSとは

音楽ホールや美術館など51カ所の文化施設を運営。また、施設運営で培ったノウハウを元に、研修企画・運営施設運営コンサルティング業務を展開する。

SPSについて


登録・認可:多様な働き方ができる企業として、2017年に厚生労働省の「えるぼし」認定を獲得。ほか、働きやすい会社、仕事と介護、子育てが両立できる会社として多くの認証を受けている。

今回の取り組みについて、SPSの担当者に話を聞いてみた。

「(取り組みの狙いは?)ターゲットとしては顧客との直接的な接点をもつ業界の経営層及び人事担当者です。狙い、目的は、情報化の進展により、企業と顧客との直接的な接点においてのニーズが多様化・複雑化しています。顧客との直接的な接点において、その企業らしいサービス品質の向上等について課題を抱えている担当者に解決策事例のひとつとして紹介したいという目的で本取り組みについての情報を配信しました」

「(今回の取り組みの注目点は?)一見、サービス業とは無縁と思われる、僧侶や住職という仕事においても昨今の顧客ニーズの多様化を痛感されており、今後の寺院の継承と発展に向けた顧客接点の強化に課題感を感じています。人と人とのつながりや顧客接点における「意味」や「役割」を従業員に理解させることで企業や施設のファン化につなげたいとする団体が増えています」

「(ユーザーへのメッセージは?)従業員育成の手法のひとつとしてご検討ください」

社会が大きく変容しつつある現在、時代に即した取り組みをサポートする今回のような研修への需要は、ますます高まりそうだ。

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