貯金だけではお金は増えない。FPが語る、今こそ投資すべき理由とそこにある落とし穴
東京ウォーカー(全国版)
「お金を貯めよう」と思えば、多くの人がまずイメージするのが、文字どおり「貯金」だろう。しかし、「今という時代に貯金だけをしていると損をする」と語るのはファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん。貯金の代わりに黒田さんがおすすめするのは投資だが、それにも注意点があるという。

まず見直すべきは、「無駄なお金を使う習慣」
「『お金を貯められる人』は『収入が高い人』だ」というのは、多くの人が持っている誤解です。実際には、いくら高収入であってもお金を貯められない人は少なくありません。
このことを理解するには、「パーキンソンの法則」というものがひとつのヒントになります。これは、イギリスの歴史学者であり政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱したもので、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」という内容です。
「あればあるだけ使う」という言葉もありますが、支出を減らすことの意識が低いままでは、たとえ収入が上がっても「前よりちょっとくらいぜいたくしても大丈夫」というふうに考えて、どんどん支出を増やしてしまう人が多いのが実情です。
ですから、お金をきちんと残して貯めようと思うのなら、自分の収支をきちんと把握するというふうに、「お金に対する意識」を高めていく必要があります。簡単にいうと、「習慣によって無意識のうちに無駄なお金を使わない」ということです。
例えば、外出先でのコーヒー代もそういった支出にあてはまります。「ラテマネー」という言葉を知っていますか?ラテマネーとはアメリカで生まれた概念であり、文字どおり「1杯のラテ代ほどの少額な出費」を意味します。
たかが1杯かもしれませんが、これが習慣となっていると侮れない出費となります。毎日、必ず300円のコーヒーを買って出勤するという人なら、1カ月の勤務日数が20日なら月に6000円、1年で7万2000円もの出費となるのです。まさに侮れない、馬鹿にできない出費ではないでしょうか。

貯金だけにお金をまわしていると、将来的に損をする
そのように、日常習慣のなかで無駄なお金を使わないようにすることと併せて、今後は投資をしていくことも考えてほしいと思います。もちろん、投資をするにも一定程度の貯金をしておくことは大前提となります。大きな病気を患ったり失業したりしたときには、すぐに使えるお金が手元に必要だからです。
でも、「ゼロ金利時代」ともいわれ、物価高騰がどんどん続いている今、銀行にお金を預けているだけでは、額面自体は変わらずともそのお金の価値は相対的にどんどん下がっていきます。貯金だけにお金をまわしていると、将来的に損をしてしまうのです。
ただし、すべての人が投資をすべきだといいたいわけではありません。これまで全く投資をしてこなかった人が、50代、60代になって急に投資を始めることには大きなリスクが伴うでしょう。いわば、自動車学校できちんと教習を受けないままでいきなり路上に出るようなもので、金融事業者のいいカモになってお金を失ってしまう可能性が高いからです。
しかし、20代や30代など若い人の場合であれば話は変わってきます。時間が強力な味方となってくれて、いわゆる「複利効果」によって大きな収益を挙げられる可能性も高いからです。
もちろん、たとえ若い人であっても、投資をすれば確実に儲かるとは限りません。それに、投資ブームといわれるなかでも投資を敬遠する若い人もたくさんいますし、「したくない」と思うのならしなくても全く問題ありません。
ただその場合は、若くから投資を始めたなら大きな収益を挙げられるという機会を損失してしまうということは理解しておくべきですし、先にもお伝えした相対的にお金の価値が下がっていくという問題を、それ以上に収入を上げるなどして自ら解決していく覚悟も必要となります。
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