10分カット「QB HOUSE」の新業態「2400円カット」なぜ人気?安さだけじゃないこだわりとは
東京ウォーカー(全国版)
客がいるところへ「出向く」という考え
出店する場所にもこだわりがある。「お客様が来るのを待つというより、お客様がいらっしゃるところに我々から出向いて出店をしています」と宮城さん。
「例えば『前髪が少し伸びたから切りたいな』というとき、日々の生活の動線上に『FaSS』があれば、予約をせずに気軽に立ち寄ることができるので、利便性がとても高いですよね」
出店地を選ぶ際は、候補地の3キロ圏内の人口、家族構成、年代といったマーケット調査や競合調査を行い、駅の乗降客数や急行が停まるかなども確認。周りには一軒家とマンションのどちらが多いのかなども調べてから出店している。
今後も店舗数の拡大を考えており、出店の誘いもあるという。しかしネックになっているのが人材不足だ。

「美容師が充足していれば、新たに出店できるポテンシャルはあるのですが、理美容業界は人材確保がとても難しい業界です。見習い期間が長く、カラーやシャンプーなど先輩の手伝いをしながら、営業終了後に残業代が出ないなかでカットの練習をすることが当たり前とされています。さらに長時間労働で、休日に研修が入るなど、休みも少ない。カラーやシャンプーを毎日行っているので、ひどい手荒れで仕事が続けられなかったり、思い描いていたキラキラとした美容師像とはかけ離れていたりして、辞めてしまう方はとても多いんです。少子高齢化が進み、働き手が減るなか、そうした業界の状況を何とか打破したいという使命感があります」
働きやすい理美容業界を目指す
キュービーネットは理美容業界の深刻な人材不足を見越して、2012年に「ロジスカット」という社内の研修制度を立ち上げた。理容師・美容師免許を持つ人であれば、カットが未経験でも6カ月間の研修を受けると一人前の美容師として現場に立つことができる。研修中は給料も支給されるのだという。「ロジスカット」で研修を受けた美容師は現在600人を超える。
「小学生の『将来なりたい職業』ランキングでは、美容師が女子のトップ10に入っているんです。ただ途中で挫折したり、諦めたりする方はとても多い。だからこそ、これから理容師、美容師になる方が働きやすい環境を整えていきたいです」
宮城さんが話す「働きやすい環境」には、残業代の支給や有給休暇の取りやすさのほかに、人間関係も含まれている。

「人材不足ですが、今まで採用の基準は一度も下げたことがありません。技術を教えてもらう立場として素直に人の話を聞けるのか、その人の持つ人間力などをしっかり見たうえで採用をしています。一緒に働いていい気分になれるような人間関係でないと、やはり息が詰まってしまいますよね。採用の基準は変えず、人材を確保するための方法を常に探り続けていきたいです」
この記事のひときわ
#やくにたつ
・イメージの異なる新ブランドの展開で客層を広げる
・妥協しない姿勢、サービスが利用者の満足度を高める
・将来を見据えて働きやすい環境をつくる
取材・文=伊藤めぐみ、撮影=三佐和隆士
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