FP横山光昭のお金の悩みがなくなる資産形成プラン。「金利」ってなんだろう?「超低金利」「ゼロ金利」の時代に考えるべきこと
東京ウォーカー(全国版)

銀行にお金を預けるだけでは、資産の価値を下げてしまう
ここまでで、ちょっと矛盾を感じた人もいるかもしれませんね。今、日本で低金利が続いているのは、「不景気だから」です。一方、「好景気のときに進むはずのインフレ」も続いています。なぜでしょうか。
その答えは、インフレの質にあります。一般的には、先に解説したようにインフレは好景気によってもたらされるものです。ただ、今の日本のインフレはそういったかたちのものではなく、「コストプッシュ型」といわれるインフレなのです。
今は世界中でさまざまな原材料費やエネルギー価格がどんどん高騰しています。そうした生産コストが上がると、企業としては商品価格を上げざるを得ません。そのようなかたちで起こるのがコストプッシュ型のインフレです。今の日本は、まさにその状態にあるわけです。
つまり、不景気のために低金利であり、インフレも続いているという、一般の人たちからすればなかなか厳しい状況に置かれているのが今の日本の実情だと言えるでしょう。
そんなときに意識してほしいのは、自分のお金の価値を守るということ。ゼロ金利といわれ、かつインフレが続いている状況でただ銀行にお金を預けていては、そのお金の価値は相対的にどんどん下がっていくことになります。
今、政府は「インフレ率2%」を目標に掲げています。過度ではない緩やかなインフレのもとでは、販売価格の上昇によって企業が儲かり、社員の給料が上がるといういいサイクルが生まれるからです。
しかし、銀行の預金金利はほぼゼロです。インフレ率2%ならば、今100万円の商品は1年後に102万円になります。一方、100万円を銀行に1年預けても、メガバンクなら普通預金金利はわずか0.001%ですから、100万1000円にしかなりません。しかも、その利息からも税金は引かれますから、現実的にはほとんど100万円のままといっていいでしょう。10年、20年とたてば、その差はさらに広がっていきます。
そのように自分の資産の価値を相対的に下げてしまうことがないよう、むしろインフレ率を上回って利益を生み出せるように、今後は投資をすることも視野に入れてほしいと思います。
この記事のひときわ
#やくにたつ
・自分のお金の価値を守ることを意識する<br />・インフレ率を上回って利益を生み出せるように投資も視野に入れる
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=清家茂樹、撮影=藤巻祐介
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