1.5万人から支持される「KIRIN公式note」。今求められるオウンドメディアの役割とは

東京ウォーカー(全国版)

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“DNAを継承していく”。キリンのオウンドメディアが担う独自的な役割とは

ーーオウンドメディアを介した発信を続けていくなかで、社内におけるオウンドメディアの役割や価値はどのようになっていますか?
【平山高敏】丸4年やってみて、ようやく存在感や機運が出てきたように感じます。商業メディアやアーンドメディアはメディア側に切り取られ方がゆだねられますし、広告はわかりやすくしなければいけない。世間の見る目や受け取り方がどんどんシビアになっていくなかで、「私たちが何を考えて行動しているのか」を企業として真摯に伝えていかなきゃいけない時代になっています。対外発信の面ではこれまでコーポレートコミュニケーションという点に主軸を置いてきましたが、徐々にブランディング、マーケティングの一助としてなど、オウンドメディアが複層的な役割を担うようになり、社内での認識や評価が変わってきたというフェーズなので、これからが勝負ですね。

「公式note」とはトンマナやターゲット、コンテンツ設計もまるで異なるオウンドメディア「KIRINto」。2つのメディアを通じて、キリンに息づくDNAや資産を継承していく

【平山高敏】一方で、対内発信の面では、すでにオウンドメディアが重要な役割を果たしています。例えば、この7月に「KIRINto」で「ハートランドビール(1986年の発売開始以来、根強い人気を誇るロングセラー商品)」のデザインを手掛けた方と当時のマーケティング担当者との対談記事を公開したのですが、今の若い従業員はそもそも「ハートランドビール」をよく知らないんですよね。どういう商品でどんな想いで作られたのかが言葉として残っていないので、それをオウンドメディアでコンテンツ化して残すことは、“DNAを継承していく”という意味合いもあるなと。

ーーキリンのように長い歴史を持つ企業の場合、オウンドメディアに文化継承という独自的な役割が与えられる点は興味深いですね。
【平山高敏】インナーに向きすぎたらそれは社内報になってしまうんですけど、外向けに刺さるコンテンツではないとしても、インナーとして価値があるものは大事にしていきたいと思いますね。記事に登場してくれた従業員はもちろん、その記事を読んだ従業員や関係者にとって「こんなに頑張ってる社員がいるんだな」「けっこういい会社かもしれないな」と感じられる、キリンにいる自分を誇れるきっかけになれたら。それも、オウンドメディアに期待される役割のひとつなんだろうと思います。外から見たキリン、中から見たキリン、若い人が考える、会社を去った人が考える、昔を知っている人が考えるキリンなど、過去から未来までさまざまな視点からキリンを捉え、「公式note」と「KIRINto」でニュアンスや役割を変えながら発信していくことが、企業の人格を広くステークホルダーに伝えていくために必要なのかもしれませんね。

前職では旅行ガイド「ことりっぷ web」のプロデューサーとして、コンテンツ企画、SNS・コミュニティ戦略を担っていたという平山さん。2018年にキリンホールディングスへ入社後、コーポレートコミュニケーションの戦略・企画を担当している【撮影=三佐和隆士】


この記事のひときわ #やくにたつ
・プラットフォームの特性やユーザー層を理解したうえで活用する
・客観視して社内の資産や伝えていくべき魅力を見極める
・自社ならではのオウンドメディアの役割や存在意義を追求する

取材・文=佐藤理沙子 撮影=三佐和隆士

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