小林亮太「“俺、負けてねえな”って感じた」と語るハンバーガー愛、次の目標は紙媒体での連載

人気漫画の主人公役など数多くの舞台やドラマ・映画に出演する俳優の小林亮太が、都内近郊のグルメバーガー店をハンバーガー好きの目線で取材、紹介してきた本企画。2年に渡った連載もいよいよ今回が最終回となる。

連載をきっかけに「MOS Walker」(モス ウォーカー)へコメントを寄稿したり、「JAPAN BURGER CHAMPIONSHIP 2023」(ジャパンバーガーチャンピオンシップ)の審査員に抜擢されたりするなど、ハンバーガーにまつわる活動を広げてきた小林に、連載当初を振り返っての思いや、“ハンバーガー好き俳優”としての今後の展望について聞いた。

「一貫して楽しかった」バーガー連載の取材

連載の初回を振り返ってまず、ハンバーガーのことをまだ全然知らなかったし、知識が浅かったと思いました。そんな中で、この連載チームがいたから学べたこともいろいろあったし、そんなチームだったからこそ「負けじと自分も食べに行こう」って思えたところもあって。この現場は一貫して楽しかったです。

舞台の稽古や本番期間中に時間を作って取材をした日もあったけれど、だからといって連載の取材が大変な時はなくて。むしろ気分転換というか、「ハンバーガー屋さんと話せる！ハンバーガーが食べられる！」って、遊びではないけれどほかの仕事とは少し違うスタンスで楽しみにしていました。

もともと食べることが好きだからこそ、誰かと好きなものを食べることや、おいしいものを食べることで心にゆとりができる。僕にとっては仕事でありながらそういう時間でもあって、周りからは「すごくいい仕事じゃん！」と言われていましたね(笑)。

それに、連載を読んでくださるみなさんがお店に食べに行った報告をしてくれたり、おすすめのお店を教えてくれたり、そういうコミュニケーションがとれることもすごくうれしくて。「ここのハンバーガーがおいしかったよ」っていうのがあれば教えてほしいし、これからもハンバーガーを好きでいてくれたらうれしいです！

連載スタートから2年での一番の変化

2022年は数で攻めて、いろいろなお店で食べたり、同じ店でも違うメニューを食べたりしました。それで今年は、数より質で攻めようと思って、行ったことがないお店や遠くのお店を訪れることをテーマにして食べ歩いていますが、ハンバーガーって本当に飽きることがない食べ物だなって思うんです。2年間で23店舗に行かせてもらいましたし、連載をきっかけに「JAPAN BURGER CHAMPIONSHIP 2023」の審査員もやらせてもらって気付くことができた部分もあるから、もっと知りたいっていう気持ちが強くなっていて。

連載を読んでくれた人が「ハンバーガーって深いんだね」って言ってくれたりもするんですが、本当にそうなんです！どんどん要素を足しておいしくしていく人もいれば、引き算で旨みを引き出す人もいるように、さまざまな考え方や作り方があって、手間暇がかかっている。その分値が張ってしまうこともあるけれど、追求し続けてお店でハンバーガーを出してくださっている。

取材を通してそういう裏側や思いをより深く知ることができましたし、連載で伺ったお店では毎回楽しくお話させてもらって、今でも好きなお店ばかりなので、これからも通いたいなと思っています。

次は紙媒体での連載をひとつの目標に、役者業でまい進

今回連載を終了することにしたのは、まず小林亮太として芝居という場を頑張っていくうえで、役者としての土壌をまたイチから築かなきゃいけないと思ったから。現状を一旦リセットして、自分にプレッシャーをかけたいというか…僕、不器用なんですよ(笑)。

それに、今年写真集を出したことで、何度でも手にとって読み返せる紙媒体の魅力にも改めて気付かされました。今後、紙媒体での連載を持てるだけの説得力のある役者になって、またどこかでハンバーガーの紹介をできるようになりたいです。

ハンバーガー好き俳優として連載を2年続けて、イベントにも呼んでもらって、「俺、負けてねぇな」って感じたんです。ライバルが出てきそうな気もするけど、でも負けたくない。ハンバーガー好き俳優という枠を誰にも譲らないように、役者業も食べ歩きもどっちも頑張ります！

ヘアメイク＝田中宏昌
撮影＝小山志麻
取材・文＝大谷和美